2003年4月22日号


ネイピア


オークランドからプロペラ機で南東に一時間、ネイピアはアール・デコの美しい街。ホークスベイのこのあたりはワインの名産地でもあり、したがって美味しいワインのあるところは食べ物もおいしい。

なぜにアール・デコかというと1931年にネイピアを襲った大震災と火災で街の殆どの建物が瓦礫とかし多くの人命が奪われたのだった。 こうした悲劇を繰り返すまいと街の復興の際、建物の耐震基準を設け、また当時流行の最先端だったアール・デコをテーマにしたのだった。パステル調の色彩、大胆な直線模様に凝った装飾を組み合わせた建物はどれも個性豊かで2002年12月、南半球の真夏の明るい太陽に映えて見事だった。1930年代にタイムトリップした街は夕方5時を過ぎると人通りも殆どなくまるで映画のセットの中を歩いているようだった。大急ぎで回ったので内部まで見る機会が無かったのが残念。次回の楽しみにとっておこう。毎年2月の第3週末にネイピアのアール・デコ・フェスティバルみたいなのがあるそうだから。


 
マソニック・ホテル 1932年築
当時一番モダンな建物としてデビュー。シャープなグリーンのアクセントが効果的。




 
ネイピア・モール 
街で唯一の商店街。明るい太陽に椰子の木が似合う。歩道と車道の間にはグリーンの杭を打ってあるが段差が無いので歩きやすい

こちらはスペイン風


旧セントラル・ホテル 1932年築
ピンクのバルコニーと窓枠のデザインに注目。


 
パブリック・トラスト・ビルディング 1922年築
ギリシャ神殿を思わせ威風堂々。震災を免れた数少ない建物。


旧ネイピア消防署 1922年築
震災で一部破壊されその後鉄筋コンクリートで復元された。アール・デコ・トラストはここに。



ミュニシパル・シアター 1938年築
実は市役所も兼ねている。入り口の柱がエジプト風で横木のついた木枠のドアがいかにも古きよき時代を思わせる。



デイリー・テレグラフ社ビル 1932年築
ジグザグ模様、階段模様、噴水のような花模様などアール・デコのモチーフをふんだんにしかもさりげなく組み合わせたピンクの可愛らしい建物。



マリン・パレード
海岸通の向こうはこれまたアール・デコの美しい広場。続いて石の海岸。そしてホークス・ベイ。お天気が良かったので海も真っ青。



旧シルバー・スリッパ−・ナイトクラブ 1936年築
スリッパ−といっても日本でいうスリッパを思い浮かべてはいけません。ここはシンデレラのスリッパー(ガラスの靴)をイメージしましょう。中のエレベーターが見ものだそうです。



ナショナル・タバコ・カンパニー 1932年築
街外れの波止場付近に突如現われたこの豪華なデザイン。圧巻という他はありません。



オークランド散歩 パーネル 2(2003年2月5日号)

オークランド散歩 パーネル 1 (2003年2月3日号)


セレブレーション・タイム(2003年2月1日号)


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