2003年10月16日号

フランス・イタリアの旅 2

ルーブルとピラミッド


今回の旅行でフランス滞在は1週間の北イタリア旅行の前後に合計一週間のみ。せっかくパリ郊外まで来てパリを見ないで帰るのも能がないと、一日パリ散歩へでかけた。月曜日だったので主だった美術館は休館日。たまたま休館日がずれていたルーブル美術館に行くことにした。バカンス・シーズンもほぼ終わりでさほど混んでいなかった。ここのガラス張りのピラミッド、出来た当初は「景観ぶち壊し」などと随分非難の声も多かったが今やすっかりパリの顔として定着したようだ。私も最初見たときは重厚なバロック様式の壮大な宮殿の中庭に突如現れた、いかにもIMペイらしい超現代的デザインのガラスの造形物には少々どきっとしたが、これでルーブルに新しい命が吹き込まれたようだ。外から見たピラミッドも素晴らしいが空中から地下に降りていく螺旋階段やエレベーター、地下のロビーから見上げたピラミッドなど内部のデザインが開放的で広々として素晴らしく、非常に機能的に出来ている。

ルーブルの歴史は12世紀のセーヌ川の要塞として始まり、その後歴代の王によって増改築を繰り返し、16世紀中ごろルネッサンスの花開く当時のヨーロッパの最先進国だったイタリアからフランス王家に嫁いだカトリーヌ・メディチによってより壮大に洗練されたものになった。 17世紀になってからは一部が芸術家たちに開放されていたこともあり、荒廃がすすみ19世紀のフランス革命時にはコミューンの手により火を放たれさらに痛手を受けている。こうして何度も修復や増築工事を繰り返し現在の規模に発展し、ピラミッドの出現で20世紀の命が吹き込まれた訳だ。

ルーブル内のコーヒーショップ


ルーブル内で昼食を挟んで名画や彫刻に囲まれた心地よい散歩を楽しんだ後はセーヌ川の川風にあたりながらバトー・ムーシュで水上散歩。カッコいいお姉さんがフランス語とフランス語訛りの強い愛嬌のある英語で川の両側に次々と現れる建物や橋の歴史的背景などの説明をしてくれるのを聞きながらの一時間。バトー・ムーシュといってもさまざまな同業者がいるようで、ライブミュージック入りのディナー付や芝居小屋付のものまでいろいろな船があちこちに停泊し、夕方の出番に向けて準備中。 川べりにはビーチタオルを広げて水着姿で日光浴する恋人たちの姿も。




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