2003年11月13日号

フランス・イタリアの旅 4

コモ湖


今回の旅行のハイライトのひとつはイタリア・スイス国境の山々に挟まれたコモ湖。 2001年の夏に列車でフィレンチエからジュネーブに抜ける時ルガノ湖の長い湖岸を走り、しばし車窓の景色に見とれたものだった。 このルートはアルプスの山の中を走っているので道中の景色が素晴らしいのだが、なかでもルガノ湖を取り巻く山々、湖畔の切り立った崖にびっしり並んだ家々は風土に育まれた人々の営みを感じさせ、機会があれば是非下車して歩いてみたいと思っていたのだ。

北イタリアからスイスに掛けての南アルプス山麓には山襞を縫うように大小の美しい湖がちらばっていて湖水地方とよばれている。その美しさと穏やかな気候からイタリアの避暑地として、またスイス側からは避寒地として古くから開け、歴史のある落ち着きと避暑地としての華やかさを併せ持っている。

コモ湖まではミラノ中央駅からスイス行きの列車で30分ほど。日帰り旅行としてはお手軽なところだ。鉄道の駅があるコモ湖の南端から北端までは遊覧船で行くと往復7時間かかる。 コモ湖はYの字をひっくり返したような形で南北に細長く伸びた大きな湖だ。 時間の関係でY字型のまんなかにあたるベラージオまで行くことにした。それでも片道2時間近くかかる。

ベラージオに向けてコモ湖北上中。この日は霞がかかっていた。


8月も末になり遊覧船は夏休み最期の観光客を満載して静かに湖面を滑ってゆく。 アルプスの山々に囲まれた美しい湖。その湖畔に点在するチャーミングな村々。 どの村にも必ず背の高い教会の塔があり、それに寄り添うようにイタリアらしいオレンジ色の屋根に黄色っぽい家々が並び、豪勢な邸宅もそこここに。 水辺に面した家では自家用ボートやヨット、中には水上飛行機を備えた家も。 私たちの遊覧船のそばを時折、ヨットやボートが通り過ぎ、手を振ってくれたりする。 少し離れたところでは水上スキーやジェットースキーを飛ばす人たちも。 一夏かけた綺麗な日焼けしが誇らしげだ。

湖畔に佇む瀟洒な邸宅。建物もさることながら斜面を利用したお庭が凝っている。


水辺に水上飛行機が停泊中。


湖畔とある村。このあたりの山の断層もかなりうねっている。


ベラージオでは路地を散策し、村はずれのホテルで冷えた白ワインでしばし休憩。できればこうしたホテルに2週間ほどじっくり滞在して車やヨットなどで気の向くままにスイス領とイタリア領を行ったり来たりしてみたいものだ。

ベラージオの路地


ベラージオで休憩したホテルのテラスから



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