2004年7月11日号


フランス・イタリアの旅 8 トリノ その2


ポー河にかかるヴィットリオ・エマヌエレ一世橋。その向こうに聳える山の天辺のスペルガ聖堂まで行ってきた。行きはタクシー、帰りは登山鉄道とそこからはひたすら徒歩で。市電やバスは専用のカードを持っていないと利用できなかったのだ。

トリノ市街とスペルガ聖堂のある山頂を結ぶ登山鉄道。
いかにもヨーロッパらしい可愛らしい木の車両。

サンタマリア・デッラ・モンテ教会。
町外れの登山鉄道駅からポー川の辺を宿までひたすら歩く。歩いているといろんな人に出会う。のんびりと川に釣り糸をたれる人たち。それを眺める人たち。ゆっくりと散歩を楽しむ人たち。犬を散歩させる人。自転車の子供たち。木陰でくつろぐ人たち。ある上品な老夫婦には生まれて間もないご自慢の双子のお孫さんを見せてもらった。川の辺は豊かな緑と瀟洒な住宅が続く。ふと気が付くとこんな有名な教会が突然目の前に現れる。つれあいは黄昏時になると「ビール、ビール」うわごとのように唱えだし、バーや売店の類を探すがどういうわけか一軒も見つけられずに宿にたどり着いてしまった。

泊まったホテルのすぐ近くのレストランExclusiveの前菜。
片言の英語をしゃべるボーイさんが親切にメニューの説明をしてくれ、どのお料理も盛り付けがきれいでおいしかった。これは特に気に入ったので作り方を聞いてみたらボーイさん30分ほど姿を消した後お店のカードの裏に手書きでチマチマとレシピを書いて持ってきてくれた! 鮭の薄切りを白ワイン、白酢、ハーブ類に漬けたものにクリームチーズを練ったものとレタス、ミニトマトをあしらったもの。 次々とやってくるお客さんはどの人もヨーロッパの映画祭に登場する俳優さんかファッションモデルのように素晴らしいファッション・センス。 この辺りで夏休みを過ごしその間に顔なじみになったのだろうか、まずバーで飲みながら楽しそうにおしゃべりに時間をかけ、夜もふけてから食事を始める。 8月も末になり、そろそろバカンスもおしまいだ。私たちはすっかりここが気に入り二晩続けて夕食に出かけた。

「Exclusive」のカプチーノ。
大忙しの筈のキッチンの人たちもこんな遊び心を忘れずに。さすがイタリア人。

トリノのことは事前に調べもせずふらりと立ち寄っただけで、しかも宮殿や博物館は閉館日だったため通常の観光は出来なかったが、知らない街を何の計画も立てずのんびりとひたすらカタツムリのように歩き回るのも悪くなかった。もちろんどこで食べても美味しい食事とピエモンテ・ワイン、おしゃれで人懐こい人たち、アルプスに囲まれしっとりと落ち着いた美しい街。、トリノは私たちのイタリア旅行の締めくくりとして完璧だった。






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