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【4月22日号】【4月15日号】【4月8日号】

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4月22日号



「あ、つっつ。いてえ!」

先週、とうとう腰を「いわして」しまった。「あ、つっつ。いてえ!」
ジャズダンス公演を7月に控えての、レッスンの疲れに加え、 冷房の効いた病院の定期検診・3時間待ちの間、ずっと右足を組んで すわっていたのがいけなかったか、翌日左腰が「フリーズ」してしまった。

 いつかこんな時が来るかもしれないと思っていたので、とうとう「来たか!」 という感じがしないでもない。
ほんと、ジャズダンスって身体に悪いもんね。
「健康のため」なんてもんじゃないっす。
私の仲間を見ても、アキレス腱切断、坐骨神経痛、膝痛、肘痛、股関節痛、 足指骨折、もちろん腰痛と、整形外科疾病オンパレードの様相。これだけからだを痛めても、 サポーターをはめはめ、日夜レッスン怠りない。

「♪♪なんで、なんで、なんで、 どうして、どうして、どうしてそんなにダンスがいいんでしょう・・・♪」 (守屋浩の「僕は、泣いちっち」より・・・いつもでてくる!)

 他人から見るとおそらく「ばっかじゃ、なかろか!」状態でしょうねえ?
もう、激しい振りのダンスは踊れないかもしれない・・・とブルーになっている矢先、衝撃的な踊りを見た。
「ひもふん」をまとっただけの4人の男性舞踏家で、どうもかの有名な、「白塗り・スキンヘッド」、 パリ公演でもスタンディングオベーションが止まなかったという前衛舞踏家集団・「山海塾」の メンバーらしい。うわさのダンサーを意外なところでしかも小さなホールで目の当たりにしたものだから、 眼は点になり、目の前に繰り広げられる静かな展開に、息を詰めてしまった。

 時間が止まったかのような静かな空間の中で、関節の1つづつが徐々に動きの連鎖をして移動しているような踊り。 これは、時空間のなかでの「身体との対話」だと思った。日頃、意識もしないで動かしている身体のメカニズムを 如実に顕在化させて、人間の哀しさと美しさをみせてくれた。

 あたかも1秒間に1ミリ程の動きを綴るように踊る人もいれば、猿のような犬のような動物的な動きをしながら徘徊する人、 逆立ちをしたままじっと動かない人。
4人のダンサーがそれぞれ、気のおもむくままの動きをしているような踊りは、一般的な音楽やリズムに合わせて 動く従来の踊りのイメージを突き崩すものだった。

 人間が太古の時代から少しづつ纏ってきた、知恵や衣服や感情の複雑な錯綜を、全て吐き出しているかのようだった。 踊りの原点、それは肉体と精神の解放だと、改めて感じた。

さらに思うに、「腰をいわす」なんざあ、肉体を解放しない不自然な動きをしているに違いない。
もっと身体に素直な力の使い方があるはず。 宮本武蔵が背後から切りつけ、「ハッシ」と鍋蓋で受けた塚原卜伝の剣のつかいに、「おみそれしました!」と 兜をぬいだように、年をとった名人といわれる人の動きには、 若者には及びもつかない気合いの奥義が隠されているに違いない。

 武原はんさんや、井上八千代さん、90歳まで舞の現役だったもんね!

わたしも、まだまだ青い!「あ、つっつ。いてえ!」
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4月15日号



「初体験・ネット・オフ会」

 先日、輝く中年達のネットの関西でのオフ会が大阪でありました。
自称・他称の中年ですから30代から50代の男女、合わせて20名位が集まりました。
 丁度1年半程前にガリ版日記を掲載し始めた頃、山口県の主婦という方がメールを下さり、 「おばちゃんの検索でやってきました。インターネットのホームページを見ても若い人たちばかりで、 中年のためのネットがなくて残念・・・」と書いておられました。
私はその頃、インターネットをしている人は殆ど学生か、 コンピューター関係の人ばかりだと思っていたので、おばちゃんが書くガリ版日記なんて 若い人達にはわかってもらえないやろなあ〜なんて「のれんに腕押し」の気分でやっていましたので、 その洋子さんのメールに初めての手応えを感じてうれしく思ったものでした。

 それから3カ月ほどして、中年のための集会所「蛍村」を設立しましたとメールが入り、 村長さんがあの洋子さんだったというわけです。浪速のおっちゃんとおばちゃんも早速、 村の住人になりました。
それから1年。あれよあれよと言う間に村人が集まり、今では村民人口も70名程に増え、 村の集会所の掲示板には全国各地、果てはアメリカからも村民のメールが入り、おおにぎわいです。 なにより、村長さんの人徳に村人が集まってきているのでしょう。
村営住宅のページを借りていた人達は、間借りをしている間に着々とHP作りの力を蓄え、 次々に自分の家を建てて独立していく場でもありました。

 私が一番びっくりすることは、中年女性のパワーです。
皆さん、自分のホームページを独力でUPされているのです。私なんか毎週このガリ版日記を出していますが、 タネを明かせば原稿を打つだけ打って、「おっちゃん、お願い」と後はダンナにHPにUPしてもらっているだけで、 パソコンの本を見ても、宇宙語にしか見えません!  毎日パソコン相手に仕事をしているダンナの、門前の小僧ならぬ嫁でようやく、 一人でメールを送れるようになったばかり・・・。

 もうすぐ「蛍村」の関西オフ会があるというのに、私一人パソコンわからん人間が紛れ込んだんでは、 「きっと村八分にあう〜、グスン」「壁の片隅で、おとなし〜見てるだけにするわ」とその頃、 10日後に近づくオフ会に戦々恐々でした・・・!
ダンナがオーストラリアに1週間近く出張することになり、事務所を出る30分前に 留守中のパソコン操作をもう一度復習してもらって、自分で「蛍村」の掲示板にメールを入れてみました。 見事・無事、掲示板に「一人でやってきました〜」の文字が!
「やったぜいっ!」
こうなるとお調子者の私、「行ってらっしゃ〜い」の声もそこそこにパソコンの前に陣取り、 ブックマークしているお宅に次々おじゃましてメールを書き込み、また「蛍村」の掲示板に戻って、 「うれしくなってもう一度!」とやってしまいました。

 翌日、「きっとメールが入ってるわ〜」と期待しながらダンナの恋人、「Mac」ちゃんを 立ち上げようとしたけれど、「うん」とも「すん」とも言わない・・・。
やっと扱えるようになったと思ったけれど、基本的なことは何も分かっていないので、 あちこちボタンを押しては見たものの、何でこういうことになったのかもわからない。 「あ〜あ、きっと村長さんからの返事入っているやろになあ〜」
「雨後さんにもいれたし、わがままおやじさんにも、幸子ママにもいれたのに〜」
自分の未熟は棚にあげて、ひたすらMacの未熟、パソコンの発展途上状態に腹を立てる! 「これやからパソコンは嫌いや・・・!」「こんなムラ気なことでは、信用できひん!」 特にこのMacは、私が近づくと理由もなしにフリーズする。私が機械が嫌いなことを良く知っている!

 ようやく京都の息子が帰阪した折り、家のノートパソコンを立ち上げて貰って、掲示板を読みました。
村長さんからは、一人立ちのための愛の鞭「第一弾、第二弾!」
他の村人も、「よく一人でやってきました!」とはげましとお褒めの言葉がたくさん・・ 私はよちよち歩きの幼児のごとく、「あんよは上手、ここまでおいで・・」と皆さんにあやして貰っている気分でした。

 もちろん、オフ会は文通相手と初めて会うような、スリルと不安と期待で一杯でした。
でもやっぱり皆さん楽しくて温かい、素敵な方達で、おとなし〜しているはずの私も初対面にかかわらず、 はしゃいで四時間しゃべりどうしでした。
インターネットのすごさ、今までに体験したことのない形での友達づくりができたのです。そして、 やっぱり私達は人間。実際に会って話してこそ真のコミュニケーションができると実感しました。
そして何より、理数系の才能を私をのぞいて総ての方がお持ちだとお見受けしました。
だって、あの宇宙語の本を読んで、「パソコンが面白くて・・・」とおっしゃるんだもん。 私は皆さんとメールをしたくて、パソコンの勉強を始めようとは思うけれど、 最小限度の範囲で精いっぱいというところでしょうか・・・。


「ピシッ!!」「パシッ!!」(愛の鞭の音)
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4月8日号



「JR・18切符」

 「青春18切符」は、JRの鈍行列車1日乗り放題の切符5枚売りで、11500円。
1枚2300円で、九州から北海道まで1日中行けるところまで乗っていられると言うことです。 東京の次男はときどきこの切符で帰阪します。東京から大阪まで近郊は快速列車を利用して、 乗り換えを3、4回しながら12時間ぐらいかかってたどり着きます。

 娘も高校を卒業して、ちょっと背伸び気分なのか、この切符を買って東京まで一人旅をしてきました。
そして後3枚切符が残ったのですが4月10日まで有効とあるので、 ダンナが文字どおりオーストラリアで「豪遊」している間に、春の小旅行を洒落こもう、と思い立ちました。 が、友達は誰も鈍行旅行等に興味を示しません。やっぱり18切符は若者がターゲットと、 京都の長男と東京から帰ったばかりの娘をそそのかして、行程12時間ぐらいの日帰り旅行を計画。

 行く先は、丁度長男がこの春行こうと思っていた、岐阜県大垣から近鉄養老線に乗り換え、養老駅にある、 奇妙な名前のテーマパーク「養老天命反転地」に決定。何度電話で聞いてもピンと来ない名前で、 ちょっぴり不安ながらも「エイヤっ!」と出掛けました。

 大阪から快速で米原まで行き、鈍行に乗り換え岐阜の大垣まで来たのですが、 何やら車内が家族連れや年配のグループでワイワイにぎやか。はてさて大垣辺りにはハイキングコースなどが あるのかと思いきや、そこから樽見鉄道で1時間程の所に、「薄墨の桜」が今を満開と咲いているとのこと!  あの有名な「薄墨の桜」はこの辺りだったの?と、そっちの方へ行きたい気分・・・。
でも、これだけの人がワイワイ訪れたら、あの気高く臈長けた老桜も「埃っぽい所にお気の毒・・・」という気もする。

 大垣で、近鉄養老線に乗り換え30分。菜の花が線路沿いに咲き乱れている中を、のんびり春の風を浴びながら走る。
養老駅前には、いろんな形のひょうたんがぶ〜らりゆ〜らりぶらさがっていて、ひょうきん!  ここは、むかし、孝行息子が病気の老父のために汲んだ滝の水が、父の好物の酒に変わったという有名な 「養老の滝」のある場所だったのです。 
養老公園までの上り坂は、両側が見事な桜のトンネルで、丁度満開。思わぬ花見ができて感激です。

 「養老天命反転地」は、何度耳から聞いてもその名前が理解できなかったけれど、 目で見てますますわけが分からなくなってきた妙ちきりんな所!
アーティストの荒河修作氏が設計した「心のテーマパーク」とかで、常識を覆し感覚を作りなおす所ということらしい。 阪神大震災に合ったような斜めの建物の中には、引きちぎられたベッドや洗面所、ソファ等が散らばっていました。
この建物のタイトルは「極限で似るものの家」。
この家の使用法は、
・自分と家とのはっきりした類似を見つけること。もしできなければ、この家が自分の双子だと思って歩くこと。
・どんな角度から眺めるときも、複数の地平線を使って見るようにすること。
・一組の家具は、他の家具との比較の対象として使うこと。
等などいっぱい書いてあるけれど、私はこれらのどれ一つを取ってもいくら頭をひねってしてもなんのことやら分からない! それだけ私の頭は常識の殻に覆われていることなの?
「切り閉じの間」という真っ暗闇の迷路に入り込んだときは、とても恐ろしかったです! いくら眼をこらしても何も見えないなんて、現代のふだんの生活には皆無で、盲目とはこんな世界なんだと 血も凍る様な感覚でした。

 その他、「精緻の棟」「陥入膜の径」「白昼の混乱地帯」「もののあわれの変容器」「想像のへそ」「地霊」など わたしにはわけわからん、大混乱ワールド。
パンフレットには「ひとであるより、肉体であるように努めること」とあり、この辺りは理解できても、 「不意にバランスを失ったとき、世界を組み立てるのにどうしても必要な降り立つ場の数、種類、位置を確かめること」 ときたひにゃあ、何が言いたいのかさっぱりわかれへん!

 息子と娘は子供に返ったように、はしゃいで探検している・・・。
理屈抜きで楽しめばいいのかもしれないけれど、理屈を抜いても私は心から楽しめないのは常識から抜け出られない、 哀れで陳腐な大人だからなのでしょうか? でも正直に声を大にして「わかれへ〜んっ」と私は言いたい!

 奇妙なテーマパークに幻惑されたけれど、壮大に盛り上がる後方の青い山並みと眼下にひろがる平野のパノラマは とてもわかりやすく、私の心を落ち着かせてくれ、春の1日、桜に彩られて美しくのどかなながめでありました。

 初体験のJR・18切符は、心騒ぐ、奇妙きてれつワールド不協和音と、穏やかな桜の春を乗せてゴトゴトと走って まいりました!

「わかれへ〜んっ!!」
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