似顔絵は
三浦さんに描いていただきました。
似てるか似てないかはご想像にお・ま・か・せ。(^^)

「なにわの掲示板」に ご感想、ご意見を書いていただくとうれしいです。

【6月25日号】【6月17日号】
【6月10日号】【6月2日号】

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6月25日号



「今日は三越、明日は歌舞伎」

 古いゴシックの西洋建築様式で建てられていた難波道頓堀の映画館・松竹座が、内部を改築して劇場として去年秋頃リニューアルしたと聞いていました。

 その松竹座に梅雨の土砂降り真っ只中の日曜日、姑と出かけてきました。
 演し物は「華岡青洲の妻」。水谷八重子(二代目)さんと淡島千景さん演ずる嫁と姑の争いをそのものズバリ描いた舞台です。それをまたなんで『姑と観にいかなあかんの?』という感じでしたが、かえっておもしろかった。

 姑はこの舞台のチケットを早々とめずらしく自分で買い求めていました。リニューアルした松竹座を観たいし、中村橋之介さんは三田寛子のだんなさんで、NHKの大河ドラマ毛利元就でごひいきになったしということらしいが、細面のスッとした美男子はどうもチャーチャン(姑のニックネーム)のお好みとにらんでいます。

 姑は同年輩の友達と行こうと思ってチケットを二枚買っていたのだけれど、70歳代の不安定な世代、一人は胃の手術、もう一人は足腰が弱って道頓堀まで「よう行かん」ということになったらしく、ぎっくり腰になって今年のジャズダンスの舞台を降りてしまってクサクサしている私を見て、「気イ晴らかしに行けへん?」とお誘いを受けた次第です。

 姑と観劇なんて、「今日は三越、あしたは歌舞伎」の船場の優雅なごりょんさん一家みたいな気分だし、着物でも来てめかしこんで行こうかな〜と思いきや、朝から本降り。
いつも黒い服を着ている私は姑の為に赤い上着を着ました。姑は常々「黒は陰気くそうてあかん」と私に華やかな色を着せたがっていたので、この日はちょっとは嫁らしく、素直に姑の喜びそうな服を着ましたです。ハイ。

 豪壮だけど古くてオンボロしていた松竹座は見違えるように華やかになって、座席ホールの壁際には歌舞伎座や文楽座のように提灯も並んでジャパネスクな雰囲気で盛り上がっていました。
 有吉佐和子さんの原作よりもっと嫁姑の争いを強調した演出でしたが、ちょっとコミックに味つけして、二代目八重子さんも、お母さんに負けない、いい女優さんぶりでした。淡島千景さんも、もう70すぎてはると思いますのに、4時間(休憩時間も入れて)の長丁場の舞台を美しくシャキッとした青洲のお母さん役ぶりで、ほんと舞台女優さんは毎日、こんな大仕事をよう続けはるなあ〜と、年一回のジャズダンスの公演にも青息吐息の私はつくづく思いました。 それも時代劇はかつらからメーク、着物の着付けと洋物の芝居より何倍も大変なことです。一朝一夕ではごまかしのきかない修行の長さが、着物姿の美しい立ち居振る舞いなどに自然ににじみ出ているようにに感じられます。

 橋之介さんはさすが歌舞伎役者らしく、大振りな動きや見栄を切るしぐさなどが舞台のメリハリになって、なかなかおもしろいとり合わせで、あきがきませんでした。

 一人の男を、二人の女が夫として、息子として取り合うのは、私も若い頃身に覚えがあります。夫と姑が楽しそうに団らんしている中、ひとり台所仕事をしていたりすると、「私はこの家に女中にきたのやろか?」とくやしい思いもしたことがあるので、舞台での嫁姑の葛藤に、こそばゆい感じがしました。となりに坐る姑とて、「大事な一人息子をとられた」という私には計り知れない寂しい思いがあったでありましょうから、まあ、「痛み分け」ということになりますでしょうか。

 新婚2年目から姑と一緒に暮らしてきて24年。今となれば、舞台の八重子さんが終盤に言ったように「年月を重ねて、共に一生懸命生きてきた・・・」という感慨の方が深いというものです。
 24年の年月には実家の母よりも姑に教えてもらったことの方が多く、意地を張ってその場は反発したりもしているけれど、やっぱりその通りにしている自分がいる訳です。

 もう一人で遠くに出かけるのは心配やからと姑の付き添いと称して、「今日は三越、明日は歌舞伎」のごりょんはん気分の観劇もいいなあ・・・。

今度松竹座で新之介・辰之介の「勧進帳」や、猿之介の「ヤマトタケル」があるんやけど 青洲殿は一人ほっておいて
「おかあはん、一緒に行きまひょか〜?」
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6月17日号



「人生2度おいしく」

 今朝地下鉄で、見事な脚線美の女性が乗ってきました。
シルクデニムの様な生地のスーツを着ているのですが、膝上10センチぐらいのミニスカートで、おまけにやや左側にスリットが10センチ位入っていました。それでもまだ十分に足がありましたので(私だったらもう足の付け根になりそうです)、背は175センチぐらいはあるのでしょうか・・・。モデルさんかなあ。

 その女性は丁度私の斜め前に立って、ウォークマンを聞きながら足を少しスイングしていました。TVや映画以外でこんなに美しい脚を目の前で見たことがなかったので、ほれぼれとしながらじっくり見てしまいました。
細すぎず太すぎずの細い脚で、バービー人形のようないい形の、足首が長くスッとふくらはぎで肉がついて、日本人にありがちな膝小僧もすっきりした、申し分のない脚でした。
オレンジ色のバックレスのパンプスにその脚はぴったり吸い込まれていました。
そして、白いビスチェの胸元は、生唾ゴックンの豊かさ!
私は同性の厳しいチェックの眼というよりも、男性になったような気分で彼女の美しさを愛でていました。

 そんなわけで、難波までじっくり彼女を拝ませていただいていたのですが、だんだん・・・?と言う気が。 その時、彼女「コン、コン!」と咳。
「あ、やっぱり・・・!」私は確信しました。
「低い声」 「ちょっと骨太」 「肌黒」それらを集計いたしまして、彼女はたぶん「おかまちゃん」だと結論を出させていただきました。
それにしても美しい脚。こんないい脚を持っていたら、そりゃあストッキングはいて、ミニスカート姿でそこらを歩いてみんなに見せたくなるのも無理からぬ事。

 女より美しい男の人は、化粧をして、着飾ってより美しく装ってみたくもなるのでしょう。

 美輪明宏さんも、若い時はゾクッとする程美しかったし、玉三郎さんのはかなけな色香も女には出せない。ピーターのナッツ色したコケティッシュな肌も男でもない、女でもない不思議な美しい生きものを見る心地がしました。

 近頃では、シャズナのIZAMが、前世は両性具有だったとTVで言っていましたよ。
男が男になりそこなって、どっちつかずでいるというのは、生物の時間に習ったXとYの性染色体の話で納得がいきます。受精した折りには、すべてXX染色体(女)であったのが、後からXY染色体になって男になるというもので、何かの拍子でY染色体が不完全というのもあり得る話です。

 いろいろな生物の中には環境の変化によって、オスになったり、メスになったりして種の保存をして生き抜いているのがいますが、人類もこの乱世、環境が今までで最悪の時代なので、ダイオキシンの影響も合わせると、オスもメスもあったもんじゃないなと思えてきます。

 きれいな男はどんどん美しく装って、力持ちのタフな女はどんどんその実力を発揮すればいいのよね。

 より有利に生き残るために有性生殖の生物が生まれてきたのなら、願わくば、状況によって女になったり、男になったりできればより人類はタフに生き残れるだろうし、人生2度おいしくて、楽しそう。
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6月10日号



「美しくて恐いもの」

 先日、TVの映画劇場で「インタヴィユー・ウィズ・ヴァンパイヤー」を見ました。
ブラッド・ピットとトム・クルーズという、いまをときめく美しい男優二人の競演。

 トム・クルーズは「トップ ガン」のイメージが強く、どちらかというとスポーツ マンタイプの俳優だと思っていたものですから、長い金髪を束ねた中世の貴族のような ヴァンパイヤーを演じて、そのゾッとするぐらいの美しさがとても印象的でした。

 中世のヨーロッパは、あでやかで贅沢な貴族の文化とその裏でうごめく暗い因習や虐げられた 民衆が雑居している不可解な時代。石畳の薄暗い街角に、ヴァンパイヤーはとてもよく似合います。 豪華な錦の衣裳を身につけて、金髪を高く結い上げた美しい貴婦人が 首筋に口づけを受けると思いきや、頚動脈にかみつかれ生き血を吸われて、見る見るうちに青ざめて 死んでいくのです!

 西洋のおばけは、フランケンシュタインといい、ヴアンパイヤーといい、恐いですねえ・・・。
白い歯に赤い血をしたたらせて、「ニタッ・・!」
「13日の金曜日」のジェイソンも、救いようがない恐ろしさで、どうも好きになれません。

 その点日本のおばけは、何だか愛嬌があるか、救いようがある感じです。
恐ろしい鬼だって、お酒を飲んで油断してしまうし、どこか鈍くさくてかわいいところがあります。 「参りました!」と言ってすぐ降参してくれるし、宝物だって返してくれる。
1つ目小僧、山姥、雪女、化け猫、ゲゲゲの鬼太郎どれもみても、凄惨じゃないのが救いです。

 映画では、トム・クルーズ演じるヴァンパイヤーが斬られて川に捨てられたのに、ワニの生き血を 吸って生き返ります。ワニの血だったもんで、ヨレヨレのじいさんヴァンパイヤーで復活して、 廃屋の洋館でネズミの血でなんとかミイラのようになりながらも生きながらえます。そして最後の力を振り絞って、 人間の若い男性にかみついたときには、再び若いヴァンパイヤーに変身していたあぁぁぁ!  うわぁあ こわっ!

 あなたのまわりにも生き長らえたヴァンパイヤーがいるかもしれない・・・。
そうやっ、聖子ちゃんも若い男の生き血を次々と吸って、永遠に生き続けるヴァンパイヤーだぁ〜!

波多野さん、毎日増血剤を飲んで頑張ってよ〜っ!
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6月2日号



「ちかん、あかん!」

 先日、久方ぶりに痴漢に会いました!
5月最後の日曜日、娘と難波に映画を見に行ったときのことです。
「ブルース・ブラザーズ」という、ハチャメチャの楽しい、それでいて アレサ・フランクリンやジェームス・ブラウンなどのブルースの女王や、王様が続々オンパレードで出演している豪華な映画でした。土曜日にロードショーになったばかりで、場内は満員!
1つ空いていた席に娘が座り、私はしばらく立ち見をしていたのですが間もなく2人が席を立ったので、 通路側の空いた席に坐りました。

 ほどなくして、隣の空いた席に男性がひとりやってきて坐りました。その時、何かピンと感じました。
どこがどうということはないのですが、何となく感じて用心していると、 案の定、ひじかけからソロソロと手が伸びて来ているようでした。
「あ、来ているな・・・。」とは思ってもまだ、触ってはいません。(私も冷静なこと! さすが、中年のおばちゃん!)
画面のドタバタに笑いながらも、隣の男の挙動不審を横目で見ている余裕もあり!

 内気な痴漢はとうとう私の膝に触れてきました。「それっ!」とばかりに「痴漢や〜っ」と叫び、男をひっつかまえ・・はしませんでした。「ちょっと!すいません・・・!」と持っていたレモンティの缶でその男の手を払いのけ、さりげなく映画を見続けているのが関の山でした。まあ、その男はこそこそと席を立ってでていってくれたから良かったっけれど、この辺りが今時の中年のかわいいところで、きょうびの若い女の子なら「ちょっと! なにすんの!」と、大声を上げて撃退したことでしょう。

 今でこそ冷静に痴漢に対処できるようになりましたが、昔の私は(純情無垢な女子高生時代!)あまりの出来事に、赤くなってうつむいているしかなかったのですから・・・いや、ほんと! 阪急の宝塚線ですから上品なサラリーマンばかりと思いきや、何処からともなく手が伸びてきたり、足が割り込んできたり・・・。体の向きを変えるぐらいが関の山で、捕まえて駅員に突き出すなんて勇気はとてもとても・・・。

それに比べると、この頃の女子高生は、とても強い!
JRの環状線は痴漢のメッカらしいですが、ある女子高生はその電車のなかで痴漢を捕まえて、賠償金を要求したそうです。 連日、要求通りにサラリーマンらしき男達は1万円づつ払ったそうです。今時の女子高生の、ちゃっかり加減とあっけらかんとした強さには舌を巻いてしまいます。

それにつけても、男はかわいそうな生き物です。自分の理性ではどうにも制御できない魔物をかかえているようですね。大学教授や、お医者、某国の大統領まで、その魔物をてなずけることが出来ず、ようやく得た自分の地位を失ったり、危うく失いそうになったり。
何だか男という生き物、哀れでもあり、こっけいでもあり・・・。
その男の弱みにつけこむのは女で、まあ、お互いいい勝負というところでしょうか?
 女も好きな男には触られたい訳で、痴漢やセクハラというのも、いやな男に触られるから問題になるだけのことですね。 光源氏は、現代で考えれば「のぞき」や「痴漢」、「セクハラ」、「レイプ」と目を覆うばかりのやりたい放題をしているのです。彼がするとそれが、ゆかしい行いになるのですから、世の中不公平と言えば、不公平。
電車や映画館での、タダでできるささやかな快感。何ともしみったれていてお気の毒!
タダ程こわいものはないのにね!
 映画が終わって明るくなったら、くだんの痴漢、びっくり仰天やろね・・・。
「あんなオバハンに手を出したやなんて、俺もヤキが廻った」・・・ってね。
大阪の地下鉄のポスターの名標語は 「ちかん、あかん!」
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