
ガリ版日記の“ヨーロッパ珍道中シリーズ”を始めて、
ニューヨークに住む景子さんから度々メールをいただくようになりました。
彼女はニューヨーク郊外に住む一児の母。毎日の生活をつづったメールは、
なにわのおばちゃんだけが見ているのはもったいないぐらい興味深いお話ばかり、
そこで無理をお願いしてこのコーナーを作らせていただきました。<邦子>
景子さんへの直接メールアドレスが開設されました。
ご感想をどしどしお送り下さい。
tf000084@psinet.com
目 次
【3月6日号】【2月15日号】【1月25日号】【1月5日号】
バックナンバー目次
3月6日
「プラチナチケット」
引っ越しで忙しいと言いながらも、けっして遊ぶ事を忘れているわけではない。
ニューヨークと言えばブロードウエー。世界最大のショービジネスの街、ブロードウ
エーにひしめく40程の劇場は、このところアメリカの経済の好調さと同じように、過
去最高の活気に沸いているらしい。
ただし、毎年の入場客の約60〜70%はアメリカ国内外からの観光客が占めているのが
事実だそうで、
ニューヨーカーたちが新しい作品を評価し、その評判を聞いてやってきた旅行者がさ
らに人気をあおるといったパターンが毎年続いているとか。
最近、特に好評なのはディズニーのアニメをミュージカル化した「ライオン・キング
」と、人種差別等の問題を抱えた二十世紀初頭のアメリカの姿を描いた「ラグタイム
」など、この二つは2000年まで予約がとれないという超人気のミュージカルで、週平
均1億円の収益を稼ぎだしているらしい。
ミュージカルは通常、初期投資を回収するのに1、2年はかかると言われているが、
人気のミュージカルになると、半年足らずで回収の宣言(リクープ)がでるらしい、
また反対に人気の無いミュージカルは情け容赦なく数カ月で公演打ち切りになってし
まう。
先週末、めずらしく家族でミュージカルを見に行った。
「キャッツ」「美女と野獣」は数年前に家族で見に行ったので、3回目の今回は、学
校で習って来た「ドレミの歌」を楽しそうに歌っていた娘に見せてやりたくて「サウ
ンド・オブ・ミュージック」のチケットを取ったのだ。前に見た二つのミュージカル
がおもしろくなかったから行きたくないと直前まで文句を言っていた娘が、帰って来
てから もう1度見にいきたいと言い出すほど、楽しくてストーリーのわかりやすい
ミュージカルだった。登場する子供達もかわいく、英語のセリフも理解しやすい。こ
れは初心者向けとしてはとてもいいミュージカルだった。
ところで、私は去年の6月に、やっとの思いでとった「ライオン・キング」のミュー
ジカルのオーケストラシートのチケットを三枚持っている。ところが公演日は4月28
日、帰国は3月21日。
いまやプレミアムがついて1枚350ドルで売買される事もあるというこのプラチナチ
ケットをどうしたものかと帰国半月前だというのに、いまだに悩んでいる。
定価の75ドルであっさり友達に譲るのはあまりにも悔しい。1ヶ月後にわざわざ見に
NYに来るなんてばかな事もできない。あと1ヶ月帰国の時期がずれたらしっかり見て
帰れるはずだったのにと、これだけは残念でたまらない。 一緒にチケットを買った
友達も去年の秋に急きょ帰国命令が出て帰国してしまった。
そういう意味ではかなり怨念がこもったこの「プラチナチケット」だが、ぜひうちに
譲って欲しいと言っている友達のご主人は某Y信託銀行に勤めている。
せめて4月いっぱいはNYにいられるといいけどと、正直な話しちょっと心配になって
いるのだ・・・・。
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2月15日
「ドイツからのお客様」
年末のロンドンからのお客様に続いて、今月はドイツからのお客様が我が家に来る事
になった。
御主人は夫の会社の後輩、大学でも後輩なので、京都の社宅時代から一番仲良くして
いた家族である。
私達がNYに赴任したあと、後を追いかけるように2年後にデュッセルドルフに赴任し
たのであるが、彼等もまた今回、私達と同じ時期に日本に帰国する事になってしまっ
たのである。
駐在中にぜひNYかデュッセルドルフで一度会おうねと約束していたのだが、なかなか
チャンスがなく、もう無理かなと思っていたのだが、先月「やっぱりNYに行くからホ
テル取って」と電話がかかってきて、びっくりしたのである。その時期だと、私の方
引っ越しの準備に追われていて、とても泊めてあげられる状態ではないので、せめて
夕食でも一緒にと言う事になり、うちに来てもらう予定を入れておいた。
そして、今日はその日だったのだが、あと3日で日本への引っ越しの船便の第1便が
出るという最悪のパターン、家の中は荷物でぐちゃぐちゃ、食事の支度だって、買い
物だってしている暇が惜しいくらいなのだが、わざわざNYまで足を伸ばしてくれたお
客様に何もおかまいなしでは、私の気が済まない。
駅まで迎えに行き、来客用のお決まりのコースを車でしばらくドライブして家に到着
、夕ご飯は手のかからない鍋の準備をしておいた。NYにくらべると日本食事情が悪く
、日本の値段の3倍は出さないと日本の食材が手に入らず、魚をあんまり食べない国
に住んでいる彼たちにとっては、あんこうや海老、鮭、ホタテなどが入った寄せ鍋は
実に2年半ぶりらしく「これだけの材料の寄せ鍋をドイツで食べようと思ったら、自
分の家で用意しても2万円くらいかかりますよ」と感激して、「おいしい、おいしい
」を連発してくれると、それだけで、私は幸せな気持になれる。誰かに喜んでもらえ
るという事がどれだけうれしいことか。
久しぶりに会った事もあって、奥さんのほうはお喋りが止まらない。アメリカに来て
、真冬でもサングラスがいるほどの陽射しや、物価が安く溢れるほど店頭に並んでい
る商品に驚いた事、実用主義のドイツの商品に較べて、なんとNYの商品のお洒落な事
。また、住宅事情のちがいもあり、ドイツのほとんどの人がそうなように、アパート
に住んでいる彼等にとっては、ゆったりとした敷地の一戸建てはかなりうらやましい
環境らしい。3日間大人も子供も仮装して踊ったり、会社にいる男性のネクタイを切
ったりしてばか騒ぎするカーニバルというドイツのお祭りの話や、日本人より日本に
詳しいドイツ人のドイツ語会話の先生の話、2年半の間に旅行したヨーロッパの国々
の話を聞いているうちに、あっというまに帰る時間になってしまった。
ドイツへの駐在で軽い心の病にかかってしまい、そのために帰国が早まってしまった
ご主人がとても元気そうなので安心したり、ほんとうはもう少しデュッセルドルフに
いたかったのにという奥さんを慰めたり、
一足先に帰国して、東京の社宅で待ってるからねと駅まで送って別れたが、華やかそ
うに見える駐在員の生活も決して楽しいだけじゃないのである。
明日と明後日は荷物のかたづけ。船便を出し終えたら、次の週末に今度は日本からの
お客様がやってくる。
帰国間際の来客ラッシュ、NYの友達には呆れられているが、千客万来の我が家では大
歓迎。
ロンドンやドイツや日本から、わざわざNYまで会いに来てくれる友達がいる事が私に
は自慢の一つなのだ。
NYにいられるのもあと1ヶ月、4年半住んでいた私でも、まだまだなごりは惜しい。
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1月25日
「アメリカのブックストア」
アメリカに住んでみて驚いた事にひとつに、本屋さんの面白さがあります。
一般的になんでもゆったりとした造りのアメリカでは、本屋さんもまた日本のとはか
なり違います。
日本の本屋さんは通路も狭くて、人をかきわけながらの本選びで、立ち読みも原則的
にはしてはいけないらしいので、店員さんに、ハタキでばたばたとされても文句は言
えないのですが、アメリカの本屋さんでは、店内のあちこちにゆったりとしたソファ
ーが置いてあります。それが革製のものであったり、おしゃれな花柄であったり、店
内のインテリア自体もとても素敵で、什器も木製のものが多く、木の温かみが雰囲気
造りにも一役かっていて、あたかも大きな書斎にいるような感覚になります。
コーヒーショップが併設されている本屋さんも多く、精算前の本を持ち込んでコーヒ
ーを飲みながらの立ち読みならぬ座り読みも大歓迎なのです。
子供のためには、子供用の机やイス、かわいいインテリアでまとめられた子供専用の
コーナーもあって、読み聞かせや、お話会などのイベントも頻繁に行われています。
ときにはミュージックショップが併設の本屋さんもあって、売り場面積もおどろくほ
ど広く、狭くて暗い店の奥でメガネをかけたおじさんがぎろりと睨んでいる日本の本
屋さんと較べると、居心地の良い空間を提供して、お客さんの滞留時間をできるだけ
長くして、本を買ってもらおうという、日本とは逆の発想がアメリカらしいといえる
でしょう。
本の並べ方も、日本のようにただ本棚に並べるだけでなく、大きな平台の上に本の表
紙を見せて並べてあったり螺旋状に積んであったりと、ディスプレイ自体がインテリ
アの一部になっています。
また、特価本専用のコーナーもかなりのスペースをとっていて、定価より何割も安く
なっている本もたくさんあり、定価販売が当たり前の日本の本屋さんとくらべると、
なんとなく古びた本を見る事が少ないのもこのせいかとうなずけます。コミックのた
ぐいが全く置かれて無いのもアメリカの本屋さんの特徴のひとつでしょう。
ただ一つ残念な事は、本屋さんにおいてあるのは全て英語の本であるということです。
日本語の本だったら、毎日本屋さん通いしてるでしょうに。
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1月5日
「アメリカの広さを認識する旅」
1月2日
午前7時、ロンドンから冬のNYに観光に来て1週間ほど我が家に滞在しているMさん
一家を送りだす。
初めてのNY旅行の彼女達は、なんとこの寒いのにナイアガラの1泊2日の旅行に出か
けて、そのあとロンドンに帰る予定なのだ。
私達も、遅い冬のバケーションの9日間のフロリダの旅に出発する事にする。いつも
のように大量のおにぎりとお茶、おやつを持って車に乗り込む。飛行機を使えばほん
の4時間たらずで目的地に着くのだが、今回もテーマは「アメリカの広さを認識する
旅」NYから北アメリカ半島最南端のキーウエストまで、車で片道約二日間の旅なのだ
。ディズニーランドがあるオーランドまでは2年前に車で旅行した事がある、その時
にはもう2度と車で来る事はないだろうと思っていた、それほど長くて退屈な旅なの
だが、喉元過ぎれば熱さ忘れるとか、3人分の飛行機代プラスレンタカー代を計算す
ると車での旅行はかなり経済的なのだ。
I-95という高速道路をひたすら南に走る、いつもは空いているはずなのにまったく動
かなくなるほどの渋滞に巻き込まれてしまった。やっと渋滞を抜けたと思うと今度は
雪が積もり始めてしまい、またもや徐行運転、やっとスムーズな運転ができるように
なった頃には予定のタイムテーブルから3時間程遅れてしまった。
車の運転は嫌いではないが高速道路の運転は退屈してしまう、まっすぐで同じ様な景
色が延々と続くのだ、クルーズコントロールを75マイル(120H)にセットしてハン
ドルを握っているだけ、ときどき車線変更をしながら遅い車をかわしていく、後部座
席に座っている娘は慣れたもので、起きている間は喋ってるか何か食べているかで、
それにも飽きたらひたすら寝ている。景色を楽しむ事にはあまり興味がないようだが
車での旅はおきにいりのようである。たっぷりの睡眠をとっているので、目的地のホ
テルに着いて一番元気なのは娘で、いつもプールで泳ごうと言い出すが親は運転に疲
れてひたすら早く寝たいだけなのである。
ニューヨーク、ニュージャージー、デラウエア、メリーランド、バージニア、ノース
キャロライナ州と走り続け11時近くになってやっとホテルに辿り着く。今日のホテル
はサウスキャロライナとジョージアの州境にあるモータリストホテルである、NYを出
発したときの気温はマイナス14度だったのに、ここは、空気が生暖かい。プールをう
らやましそうに横目で見ている元気いっぱいの娘を無視してさっそくベッドに入る、
もう限界に近いのだ。
本日の走行距離1360H、走行時間16時間
1月3日
朝5時のモーニングコールにもなかなか身体が反応しない。きのうのハードな1日で
かなり体力を消耗しているらしい、とりあえず6時には出発するが運転していると1
時間ももたない。眠くてしかたがないのだ。
危険なので短い時間での交代をくりかえしながら助手席で睡眠をとる作戦で、順調に
距離を稼いでいく。
昨日程の渋滞もないので、なんとか夕方までにはキーウエストに着きたいのだ。
フロリダ州に入ると、日射しはかなり強くなり、サングラスなしでは目が痛くなる。
ドライブインで休む人たちの服装もTシャツにショートパンツ姿に変っている、サン
シャインシティーフロリダの名前がぴったりなほど陽気で人なつっこく、気軽に話し
かけてくれて、いつもにこやかだ。
南に来る程暖かくなる気候につれて、人種も温暖になるのかもしれない。
アメリカの網の目のように発達した高速道路は通行料金がほとんどタダで、ガソリン
も日本に比べると異常に安い、NYでは1P34円くらいで、うちの車なら満タンにして
も18ドルくらいなのだが、南のほうはさらに安く、1P23円ほどなのである。ホテル
も贅沢を言わなければ一部屋30ドルくらいで泊まる事ができるらしい。リタイアした
老夫婦が車やキャンピングカーでアメリカ国内を旅行しているのを良く見かけるが、
ドライブ旅行に最高の条件が揃っているアメリカならではの光景かもしれない。
南に走るにつれ高速道路の分離帯の芝生が青々としてくる、周りの木々も落葉樹では
なく常緑樹が多くなってくるのがおもしろい。かなり南に走るとそれがヤシの木やマ
ングローブの木に変っていく、NYでは「鹿に注意」の標識が「ワニの横断に注意」に
変るのもすごくおもしろい。
フロリダは湿地帯が多く、沼も点在している、ワニが住んでいるので、ペットの散歩
もワニに喰われないように気をつけなくちゃいけないらしい、人間の子供が喰われる
事もときどきあるらしいのだ。
地平線に続くオレンジ畑や手付かずの自然がいっぱいのフロリダ、やっぱりアメリカ
は大きな国だと再認識する。
マイアミからさらに3時間半ほどのキーという名前がつく島々が「フロリダキーズ」
という総称で、橋でつながれているが、その一番西にある島がキーウエストという島
である。
少し前の台風で大きな被害を出したそうで、島のあちこちには当時のつめ痕がまだ残
っている。ぺしゃんこになってしまった車や倒れたままの大木など、自然がふるった
猛威はさぞかし恐ろしいものだったのに違いない。有名な7マイルブリッジはアクシ
ョン映画などでもお馴染みだが、ちょうどメキシコ湾に沈む夕日を見ながらの橋から
のながめは素晴らしいものであった。
珊瑚礁に囲まれた青々とした海と白砂のビーチは明日のお楽しみにするとして、ホテ
ルにチェックインしたあとはさっそくシーフードレストランでの夕食を楽しむ、名物
のコンク貝(シャコ貝)のサラダは残念ながら売り切れていたが、エビのカクテルや
スノークラブという蟹を茹でたものは、さすがにおいしくて満足できた。
白人の観光客が多く洗練された南国のリゾート地という印象のキーウエスト、「老人
と海」を書いたヘミングウエィの家があり、5本指のネコがいるのでも有名なのだ。
本日の走行距離1040H、走行時間11時間
1月4日
激しい風の音で目が覚めた。
ホテルの部屋から見える海はグレーで、雨も降っている。
天気予報どおり今日は1日雨の様子だ、晴れていたら泳ごうとはりきっていたのに、
この寒さでは外出するのもおっくうになる。しかたないので、2日間のドライブ疲れ
をとるための休養日とする事にする。
もう1度ベッドに入ってお昼近くまで睡眠をとり、朝昼兼用の食事をとったあと夫は
車のヘッドランランプの球切れを修理しに行き、娘はホテルのテレビでゲームをやっ
ている。私はたまっているメールの返事を書いたり友達に絵はがきを書いたり、長い
旅行の間にホテルの部屋でのんびりと、どこにもでなけない1日というのもまたいい
ものである。
夕方まで部屋で過ごしたあとは、きのうに続いてまた今日もおいしいシーフードのレ
ストランで夕食をとる事にしよう。
青い珊瑚礁の海と白砂のビーチ、今日もとうとう見る事ができなかったけど・・・・・・・
1月5日
天気予報どおり今日もまたどんよりと曇った空が広がっている。
今日はオーランドへの移動日なのに、とうとうキーウエストのコバルトブルーの海と
白砂のビーチでの記念撮影はできなかった。なんのためにここまで来たのかとちょっ
と悔しいが、おいしいシーフードをたらふく食べられたし、キーウエストのヒストリ
カルでお洒落な街並も、ヘミングウエィの生家も見る事ができた。まぁ、これで良し
としよう。2日前に走って来た高速を今度は北に向かってひたすら走る、途中でアウ
トレットに寄り道をして、ウインドショッピング。今日はそれほど距離を稼がなくて
いいのでのんびりとしたペースである。
アメリカの車のナンバープレートはとてもカラフルだ、州によって色もデザインが違
うのだが、NYは白地のプレートに自由の女神の像、コネチカットは濃いブルーのプレ
ート、フロリダはオレンジやラッコのイラストなど州によってかなりたくさんの種類
のプレートがあるようだ、カラフルでとてもおもしろく、ひとめでどの州のプレート
かわかるようになっている。野球好きにはNYヤンキースやメッツなどという、ひいき
のチームのナンバープレートもある。
娘は、車で旅行する度に、見つけた州のナンバープレートを地図に印をつけている。
今回も新しく印は増えたがまだまだ全米の州のプレートは制覇していないようだ。
キーウエストも寒かったが、オーランドも異常に寒い。
いつもは、真冬でも半袖で過ごせるくらいなのだが、今日は厚手のジャケットがない
と震え上がる程だ。寒いNYから避寒に来たのに、これではNYにいるのとそれほど変ら
ない。車での旅行だからこそ衣類も余分に持って来ていてあわてる事はないけど、ま
さかフロリダでダウンジャケットのお世話になるとは思っても見なかった。あまりの
寒さに、オーランドに着いたとたん、日本食レストランにかけこんで寄せ鍋を食べた
。
本日の走行距離750H 走行時間8時間
1月6日
オーランド最初の日は98年の4月にできたばかりのディズニーアニマルキングダムに
出かける事にした。
「ディズニーが作った動物園」というのがこのテーマパークの代名詞になっているよ
うだが、
350種類の動物の絵が書かれた生命の木を中心に恐竜ランドやアジア、アフリカ、野
性動物保護ステーションなどのいくつかのランドにアトラクションやショーなどが展
開されていて、暫定的なオープンなので工事中の箇所もいくつかあった。今まで人工
的なテーマパークを作って来たディズニーが初めて動物や植物など自然との一体化を
めざし、自然保護をうたっているこのテーマパーク、まだまだ未完成の部分はあるも
のの、各ランドごとの演出はみごとで、夢のある動物園という感想がぴったりかもし
れない。
Kilimanjalo Safarisという、サファリカーに乗ってのキリマンジャロのサファリへ
の旅はほんとうにアフリカにいるような錯覚におちいってしまいます、それほどよく
できたアトラクションです。
もちろん、キリンやライオン、ぞう、わになど、出てくる動物たちは全部本物です。
また、ライオンキングのショーは、ミュージカル仕立てになっていて、アクロバット
あり、踊りありの観客参加型の楽しいショーで、黒人の女性の歌声がとても素晴らし
かった。
「虫でいるのも楽じゃない」という3Dのショーは、ほんとうに水が飛んで来たり、
臭いがしたりするゆかいなショーで、最後にはイスのおしりの部分を虫がはっている
感覚も味わえる。
パレードはハッキリ言ってぜんぜん良くなかったけど、全体的になかなか楽しめたア
トラクションで、ディズニーがつくると動物園までもが夢のあるものになる。
数年後にまた訪れる機会があったら、さらにどれほど充実しているかが楽しみである。
1月7日
ディズニーワールドといえばマジックキングダム。
日本やパリやアナハイムにあるものとほとんど同じ造りだが、3箇所を制覇した私に
言わせるとやっぱりオーランドが最高だと思う。日本のは混みすぎ、アナハイムのは
全体的に設備が老朽化していて色褪せた感じがする。
前回に行ったときには、ちょうど25周年だったので、シンデレラ城がデコレーション
ケーキになっていて、それはそれでかわいかったのだが、メインストリートから見上
げるシンデレラ城の美しさは、いつも誰もを幸せな気持にしてくれる。
オーランドのマジックキングダムは、チケット売り場からモノレールかフェリーで入
場門に向かうようになっているが、モノレールは途中でオフィシャルホテルの駅に停
車したりして、なかなか気分を盛り上げてくれる。なにしろオーランドはマジックキ
ングダムを始め、MGMスタジオやエプコットセンター、タイフーンラグーン、プレジ
ャーアイランドなど、ディズニーのテーマパークだけでも敷地が1億1000万Fもある
らしく、とにかく広いのだ。この広大な湿地だった敷地をここまでの大アミューズメ
ントパークに作り上げたディズニーはやはりすごいと思う。
娘はジェットコースター系がまったくだめで、せっかく空いてて待たなくても乗れる
のに、ダンボや回転木馬などのお子さま向けのものしか乗ろうとしない。イッツアス
モールワールドも大好きである。
この日はスプラッシュマウンテンも30分待ちで乗れるらしいので、思い切って私一人
で挑戦。思ったよりも怖くはなかったが、シートベルトも飛出し防止のバーもないの
に、アメリカ人のように、最後の急流で両手を離してバンザイ状態で歓声をあげるな
どという事は私にはとてもできない。
記念撮影された写真は、前に座っていたでっかいおじさんの影に隠れてしまい、かす
かに腕だけで私とわかる状態だった。
1月8日
オーランドですべてのテーマパークを見ようと思うと最低でも10日間ほどかかってし
まう。
ディズニー以外のテーマパークもたくさんあるからだ。
その中でも私達が好きなのは「シーワールド」。ここは海をテーマにしたパークで、
ゆったりとした敷地のなかに水族館があったりマリンスポーツのショーがあったりで
とても楽しめる。
西海岸のサンディエゴや千葉の鴨川にも「シーワールド」はあるが、これもまた比較
の対象にならないくらいオーランドのものが一番規模が大きくて充実している。
2年前に行ったときに比べると、施設もかなりリノベーションされており、スプラッ
シュ型のジェットコースターもできていて、大人気のようだ。
おすすめはシャムー(しゃち)のショーで、ジャンプをしたり、トレーナーを乗せて
泳いだり、よくもあれだけ調教したなあと思えるくらいの芸を見せてくれる。ちょっ
とした野球場くらいの大きさのシャムースタジアムの客席の前から14列はスプラッシ
シュゾーンなのだが、ショーの最後にはスプラッシュタイムというのがあって、シャ
ムーが尾ひれでおもいっきり水を客席にかけてくれる。それを大人も子供もきゃあき
ゃあ言いながら喜んで浴びているのは、見ているぶんにはなんとも面白いが、やりた
いとはけっして思わない。
アシカのショーもコメディー仕立てでとてもおもしろいし、イルカやえいに餌付けを
したりもできる。
ベイサイドスタジアムでの水上スキーのショーも必見だ。
ディズニーのアトレクションと違って、各ショーの収容人員が多いので待たなくても
良く、混んでるシーズンにはいいかもしれない。
1月9日
とうとうNYに帰る日になってしまったが、どうやら天候が良くないらしい。
アメリカにはウエザーチャンネルという24時間天気予報しかやっていないチャンネル
があって、旅行などの際にはとても便利である。
その天気予報によると、どうやら大雨の前線が西からやって来ているらしい。雨なら
まだいいが、雪は困るので予定していたペンシルバニア州ランカスターのアーミッシ
ュカントリーでの1泊は諦めて、まっすぐNYに帰る事に決定。きのうのうちにフロリ
ダ州の北の方まで移動済みとはいえかなりの強行軍だが、ひたすら走り続ける。朝、
デニーズでしっかり朝ご飯を食べたから休憩はトイレのみ。常に何か食べながら運転
だけしている時間、娘が退屈しのぎにやるしりとりにももう飽きてしまった。
途中で雨に合うが、たいした事も無く、ワシントンDCに近付くと積雪が目立ってくる
、昨日はかなりの雪のあと雨に変ったらしく、表面はツルンツルンに凍っている。で
も、高速道路は完全に除雪されていて走るのには心配はない。
夫の会社のグルメな同僚Kさんに教えてもらったカニがおいしいレストランにどうし
てもよってみたくなり、
夜の9時半近いが行ってみるとまだ営業していた。 ここは初めて入った時には驚い
たのだが、ほんとに殺風景なレストランで乱雑におかれたテーブルの上には茶色の模
造紙がテーブルクロス代わりに敷かれていて、各テーブルの足下にはゴミ箱が2、3
個置かれている。カニを注文すると木づちとナイフが置かれれ、ナプキンなんていう
上品なものは出てこない、キッチン用のペーパータオルなのだ。内装もひと昔前のバ
ーのようで、ジュークボックスやテレビゲームが置いてあってちょっと不思議な空間
だ。
アメリカのレストランにはめずらしく喫煙もできるらしい。
ここで出てくるカニはブルークラブと呼ばれる、チェサピーク湾という近くの海でし
か採れないめずらしいカニだ。名前どおり足と甲羅の一部分がきれいな青色をしてい
て 注文するとテーブルの上にどさっと置かれるカニは、茹でてからオールドベイス
パイスというシーフードのスパイスと塩がたっぷりとまぶされて出てくる。このスパ
イスをまず始めにペーパータオルで良く拭き取らないと、手や口のまわりについてひ
りひりするのだ。ツメは木づちで豪快に叩いて身をとりだしていくのだが、甘くてと
てもおいしい。カニミソもなかなかいける。ひたすら殻をわり食べてはゴミ箱に投げ
捨てる作業をくり返すため無口になってしまう。大きいサイズのは売り切れていたが
、Mサイズ(甲羅が手のひら位のもの)のカニ1ダースで約24ドル、娘は蒸したアサ
リを食べたので 大人二人でたっぷりの量のカニがこの値段とはとてもうれしくてお
いしい。カニのシーズンは冬の間だけで、自宅からは3時間程かかるが、また来たい
ねと大満足で最後の一走りをして 深夜我が家にたどりつく。
Home sweet Home である。
本日の走行距離1600キロ 走行時間15時間
全走行距離 5200キロ
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