暑い！

　邦子さん、ごぶさたしています。
　ニューヨーク便りも、このところすっかり更新をさぼってしまっていて申し訳ありません。 ５月に開催されるパッチワークの作品展も、出品作品の締め切り日まであと１ヶ月を 切ってしまいました。
教えていただいている先生から厳しい催促とはげましの電話を頂く度に冷や汗をかき ながらも、ぎりぎりでなんとか完成できそうなペースを確保できている事に少しほっ としています。

　前回の作品展までは、すでに完成している作品の中から出品作品を選んでいましたが、 今年は３点も出品するうえ、今作成中の最後の１点はアメリカの地図をデザインした かなり手がこんだ作品なので製作時間が相当かかっているのです。
おなけに、注文してから１ヶ月も待たされた後、１週間前にやっと届いた私用のMAC パワーブックが気になってしかたなくて、ついついそちらに時間をとられてしまうた め、パッチワークとパソコン用に手が４本あったらいいのになあと思ってしまうこの ごろです。

　先週の日曜日、暖かくて雪がなかった今年の冬が最後に力を振り絞ったかのように、 朝おきると10センチ程の積雪がありました。

　今年は雪に飢えていた娘は、「雪積もっているよ」という声に飛び起きて、朝ご飯も そこそこに裏庭に飛び出していきました。ソリで斜めになっている芝生の上を滑べり おりたり　雪だるまを何個も作ったり大喜びで、氷点下２度という寒さのなか長い時 間元気に一人で遊んでいました。

　それから５日後の金曜日、かなり暖かくなるという天気予報どうり、朝から温度計は 20度を超えていて、午後にはなんと30度近くまで温度が上がってしまったのでした。 昨日まで厚いジャケットを着て帽子やマフラーしていたはずなのに、その日はTシャ ツにショートパンツ、タンクトップの学生たちが水のボトルを抱えて歩いている姿に、 いつのまにか夏が来たような錯覚におちいってしまいました。

　外で遊んでいた子供たちもほっぺを真っ赤にして汗をかいています。 あちこちでれんぎょうが黄色い花を開いて、とうとう本物の春がきた事はとてもうれ しいのですが、 短期間に一気に30度も気温が上がって、まるで夏の状態には身体も感覚もついていけ ません。

　なにも考えずにその日の夕食に鍋焼きうどんを作ってしまった私は家族のひんしゅく をかってしまいました。
そんな陽気が今日でもう３日も続き、「暑いねえ」という言葉がついつい口をついて でてしまいます。

　マンハッタンにでかけた電車のなかも冷房が効いていたし、部屋の窓は夜になっても 網戸にしたままで、３月下旬とは思えないこの狂ったような気候は天気予報によると あと２日間くらい続くようです。

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３月１５日

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Tooth fairyが来ない

このところ娘の乳歯がたて続けに抜けて生えかわっています。
私が小さいころには上の歯が抜けたら縁の下にほうりこんで、 下の歯だったら屋根の上にほうり投げた記憶があるのですが、アメリカではちょっと違うんです。
　ある日いつものように娘を迎えに学校に行くと娘の首から歯の形をした小さなプラスチックのケースが ぶらさげられていました。開けて見るとその中には抜けたばっかりの乳歯が大事そうにはいっていました。 　学校で歯が抜けると保険室にいるナースが　このケースに歯を入れて失さないように首からぶらさげてくれるのだそうです。 そしてその晩　娘はそのケースを大事に枕の下に入れて寝ます。 　夜中にTooth fairy（ツース　フェアリー）という妖精がやってきて、抜けた歯と交換に１ドル札や 小銭やかわいい文房具などをそっと置いていってくれるからなのです。 　朝起きて枕の下を探すときの、娘のわくわくどきどきしている気持を想像しながら妖精の役をするのは もちろん私なのですが、パッチワークのショーへの出品のため　ただ今最後の追い込み状態で、 その他にも私用で超多忙のため睡眠時間もけずっている状態の私、最近あまりにも頻繁に娘の歯が抜ける事もあって、 先日は妖精役を３日間も連続して忘れてしまったのです。 　毎朝枕の下を探して、「今日も来なかったよ」という残念そうな声に 「部屋がちらかってるから来てくれないんじゃないの？」「昨日ピアノの練習しなかったからだよ」 などとフォローしながら、三日も待たせてしまったおわびにと思って　娘がコレクションしている ビーニーベイビーという小さい動物のぬいぐるみシリーズの羊を買って、そうっと枕の下に入れてほっとした次の朝、 娘が一言「あのね、ママ．このビーニーベイビーの羊もすごくかわいいけどね、 私のほんとに欲しいものとは違うんだよ、今度は違うのを買って枕の下に入れておいてね。　 知ってるよ　ツースフェアリーはほんとはママなんでしょ？」

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