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4月28日号


ローマ・パリ10日間の旅 珍道中シリーズ 11


ハッピーバースデー ノリ

 いつの間にか、一時間程眠っていたようです。
ホテルの窓から見える空は、オレンジ色と薄紫色に漂い初めて、
窓からはいる風が少し冷たくなってきています。
まだ子供らは帰ってきてない様子。
大きくなっても「とんぼ釣り きょうはどこまで 行ったやら」の心境です。
いつ帰ってくるかもわからない子供らをジーッと待っていてもしょうがないし、
ホテルの近くをひと巡り、黄昏時の散歩にダンナと出かけることになりました。

 この三日間、毎朝ホテルからテルミニ駅めざしてまっしぐら。
ローマ市内をくまなく巡り歩きながら、このホテル界隈は殆ど知らなかった事に気付く。
灯台もと暗し、の新発見がゾークゾーク!何も遠くまで足を運ばなくても、
このあたりの風景“いい感じ”。石畳のゆるやかな坂が交差している三差路。
プラタナスなのだろうか、まだ葉をつけていない大きな街路樹が並んでいる陰から、
そろそろ明かりがつき始めたショーウインドウがチラチラ見えかくれする。

 黄昏時は、どこにいても一番好きな時間・・・・・。
一日の疲れが街の中に漂い、少し緩慢な気配が夜の訪れとの合間に、一瞬流れる。
 ダンナの腕に手を差し入れ、大木に子猫ちゃん状態で(だれや!子豚ちゃんゆうてんのは!)
ブラ下がる。いつもダンナはサッサカ歩いて私は小走りのかわいそうな状況が続いたけど、
こうすると彼の歩調にブレーキ制御がついて、私はちょっとは楽になる。
ローマのたそがれ時、腕を組んで石畳の道を散歩やなんて、なにわのオバチャン、
結構ロマンチックしてるやんか!
 
 冬物のブーツのバーゲンをしているくつ屋さんと、次男の20才の誕生日の
お祝いをするレストランの目星をつけてホテルに戻る。
子供達は無事戻っていたが、話を聞くと、何とローマの北の端にある大きな公園で遊び、
地下鉄に乗って今度は南の端の宮殿跡まで足を延ばしたそうだ。

 北の公園では馬術競技場で馬にステンレスの片手鍋を差し出してえさをやるふり
をしてちょっかいをかけ、動物園を見て池でボートに乗り、三人でオールを交替
しようとした時、池の真ん中で船がひっくり返りそうになったとか、何とまあ、元気なこと。
やっぱり私にはとてもついていけない午後の彼らのスケジュールでした。
それもキッチンペーパータオルとステンレス鍋をさげたままでネ。

 さあ、今夜はローマ最後の夜だし、ノリの20才の誕生日のお祝いだし、という訳で
ダンナはいつになく気を使って、レストラン探しをしていいところを見つけてあります。

 ダンナと言えば、この旅行日記を書き始めて、東京のRさんから、
「なんと家族思いのご主人でしょう・・。うらやましいです!」というメールをいただきました。
ここで正直にお話しますと、こんなに一生懸命家族にサービスする彼の姿は、
私たちも初めてなのであります。彼は仕事人間で、殆ど母子家庭状態で20年やってきたのです。
イベント好きで、日曜参観や運動会はバッチリ参加して点数はかせいでいましたが・・。

 だけど、50才を迎えて、彼も家族の温もりとやらが恋しくなってきたのかナァー、
それとも外でもてなくなったからかナァー、この頃とても父親しています。
子供が大きくなって一丁前の話し相手としておもしろくなってきたとダンナは喜んでいる。
反対に母親の私は子供等が小さかった頃がとても恋しい。24時間手を煩わされ、
世話がやけて大変だった頃が今になってみると母親としてもっとも幸せだった時代だと痛感。
父親、母親それぞれ子供に対する思いは微妙に違うのだけど、とにかく親子5人揃って
初めて海外旅行できたことは一生の思い出、我が家の最高位に属するイベントなのです。

 この20才を迎える次男のノリ、ここに来るまでいろいろありました。
4月生まれのはずがあわて者で3月に出てきて、おかげで兄の克尚と年子になって
しまい、てんやわんや。
生後6カ月で百日咳にかかって死にかけたりしている。
翌年の5月、庭に立っている鯉のぼりを見て、「コイノボリ、タッチ」と指さしてしゃべりました。
1才2カ月で主語と述語のいわゆる「文章」を話したものですから、お釈迦さんの
「天上天下唯我独尊」まではいかないけれど、かなりの天才だと、わが腹から生まれた子なれど、
そら恐ろしくなったものです。(イエスを生んだマリヤの如く、釈迦を生んだ摩耶の如く?)。

 神童も大きくなればただの人とはよく言われること、それでもノリは一風変わっていました。
幼稚園の卒園の文集で将来の夢の欄には「もぐらになりたい」とありました。
「ずーと土の中にもぐって寝ていたいから」だと!
幼稚園の遠足で一人ポツンとお弁当を食べている姿を見て先生は友達がいないのでかわいそう
と思って一緒に食べて下さったらしいのに、彼曰く、
「せっかくひとりで景色を見ながら食べたかったのに先生が横に来てじゃまをする」
スイミング教室に行けば、お腹が痛いと言ってプールの側にしゃがみ込んで泳ごうとしない。
テコンドーの道場は三カ月でやめてしまう。

 私が男の子は強くてスポーツができて、という幻想を抱きすぎていたのだと今なら思えるが、
その頃はたくましく育てと、いじめられて泣いて帰ってくるノリを「やり返しておいで!」
と追い立てたりもした。今なら「なんで抱きしめてなぐさめてやらんかったんやろ」
と思うけれど、年の迫った三人の子育てで必死の若い頃の私に、
そんな一歩離れて見てみるゆとりなどなっかた。

 三人の子持ちの人と話してみるとよくわかるのだけど、不思議と真ん中の子は少し変わっている。
あるいは屈折している。
真ん中の子は上下の兄妹からのプレッシャー、母親は二番目の子育てへの慣れから油断。
いろいろな要素が真ん中に複雑に作用するみたい。

 3月生まれで身体も小さく、弱かったこともあり、起立性低血圧症で雨が降ったり、
曇りの日は学校はお休みという状態が高校1年まで続いた。
あっちの病院、こっちのお医者と病院のハシゴ。「病気の問屋」というあだ名がついた。

 高校1年の2学期、「これ以上休むと進級できなくなるゾ」と担任の先生に言われた。
ガ然、その日から卒業まで皆勤になった。
 ダンナは“単に甘えていただけや”というけれど。私は狐につままれた思い。
高校入学式の時身長が155cmで新入生で一番小さかった彼がこの頃からどんどん伸びはじめて、
20才の今は175cmぐらいある。
精神的にかなり早熟だった彼は身体とのバランスがとれなくて、不安定な危うさをかかえて
いたのかとも思う。

 一丁前に大きくなり、東京シティボーイになってすました顔をしている次男坊を見ると
私は今でも狐につままれている思いがする。

 そして、大学のテニス部は幸せすぎて堕落すると1年で止めてしまった彼のストイックさは、
単純で大雑把な私にはやっぱり理解できない。
彼は精神的にも、地理的にも遠くに離れてしまった。こんなことならたくましく育てと
つき離さずに、もっとベタベタしていればよかった。
こうして母親は大きくなった子供をまた小さくしてしまいたい衝動にかられる。

 誕生パーティをしたレストランは「ジーノ」に比べると少しカジュアルな感じで、
太ったオーナによく似た太った息子がフランクに、ちょっとがさつに明るくサービスしてくれた。
 ホテルに帰って市場で買ったケーキを囲んで“ハッピバースデー”を歌う。
 のみの市で買ったシルクのジャケットも気にいったととられてしまう。
あの鼻たれのヨダレくりの、ションベンたれの、クソッたれだった子(少々下品)が
キザッてシルクのジャケットを着て、田村正和風に気取って鏡の前で歩いております。


娘にいつもせがまれるのだけど
もう1人、今から子供を生もうかな?!




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4月24日号


ローマ・パリ10日間の旅 珍道中シリーズ 10


これぞローマのみやげ物??

ローマ見学3日目は再びサンピエトロ寺院へ行くことになりました。
というのも先日来た際次男のノリが途中で行方不明になり、彼は
「塔の上からローマ一望」というなかなか感動的なシーンを見逃して
いるためです。

オッタビアーノ駅から寺院に向かう道に、この前はなかった露店が
並んでいます。
土曜日のせいでしょうかテントの中に何やら古着が沢山ぶら下がっている
様子。 ブランド店は素通りしてこんなお店に足を停めてしまう私たち。
掘り出し物を見つける宝探しのような気分はプライドの高いお店では
味わえません。
私はうすいシルクのダークグレーのジャケットを見つけました。
メンズサイズで大きめにザクッと着るのも良し、それとも三月十五日は
次男の二十才の誕生日でもあるし、彼が気に入れば彼にプレゼントする
も良しという感じです。
もう一枚、白と黒の細かい菱形模様の入ったキザな綿シャツ。
こんなのキザな奴が着たらホスト系真っ直中になる可能性大だけど、
彼がシブクきめてくれることを願ってプレゼント用に購入。
娘と私はその他、チュニックだの短ジャケットだの買っていましたが、
息子達はその先の店で何やら物色中。

彼らはとんでもないものを買っていました。
長男はキッチンペーパータオルを4ロール。
「何でそんなものわざわざローマで買うねん!どないしてもって帰る
つもりや!」とダンナは本気になって怒っています。
そのペーパータオル、よく見るとバラの花のもの、チューリップのもの
等タオルにプリントされていて、なる程日本では見かけない代物です。
友達へのみやげものにすると、長男も頑としてゆずりません。

次男はと申しますと、もっと大変なものを買っていました。
ステンレスの片手鍋です。「アホとちゃうか? そんなん重たいやないか、
手荷物検査のセンサーでまたひっかかるゾ!」
ダンナはますます眼をむいて怒っています。
海外旅行初めての子供等の奇怪至極な買い物にあきれてモノも言えない、
理解できないといった感じ。
でも私は何となくわかる気がするのです。日本にもいくらでもある、ごく
日常的なもの程、「これはローマで買ったもんや・・・」とふだんの生活で
何度となく思い返せるし、「これをもって帰るのに苦労したんや・・」と
鍋にドラマを感じることができるのですから・・・・。

かくして、キッチンペーパータオル4ロールをぶら下げている男、
重いステンレスの片手鍋を抱えている男、ジャケットやシャツを詰め込んだ
袋を持つ女2人、ビデオカメラだけを下げて、この4人とは離れていたい
という顔をしている髭づらの男の計5人連れ、ローマの観光地に滅茶苦茶
不似合いな一行がヴァチカン市国にやってきました。

巨大な柱廊群をくぐり、サンピエトロ広場に出てあっとびっくり、今日は
土曜日とあってか、イタリア全国からか、見学の団体バスがゾクゾク進入
してきて、さしずめお彼岸の四天王寺さんのようなにぎわい。
(大阪人しかわからないローカルネタでのたとえ)
ここはカソリックの総本山ですからお詣りの人でにぎわうのも当然といえば
当然でしょう。

次男が一人で塔に上っている間(もう2度とあんな階段上りたくない!)
寺院に向かって左側にある郵便局(ここはれっきとしたヴァチカン市国
郵便局)に行きました。
ここだけにしかない、ヴァチカン市国特製の切手にスタンプを押してもらえる
ということで、局内には手紙を書くためのテーブルと椅子も沢山用意されて
いて、それぞれの故郷に便りを出す人々でごった返していました。
たぶん私たちが帰国した後に到着すると思いますが、記念のはがきを
二人のおばあちゃんに送りました。

さぁ、これからローマの人々の生活探検と参ろうという訳で、サンピエトロ
寺院から東北東にのびているコーラディ・リエンツオ通りという地元の人々
で賑わっているショッピング街を歩きました。
この通りは明るく開放的な雰囲気でウィンドウディスプレイもスペースを
広く取ってイタリアモダンな感じのお店が並んでいます。
しばらくいくとなんやら市場の入口のようなところに出くわしました。
中にはいると八百屋、魚屋、肉屋、チーズ屋、おかし屋、ところ狭しと
商品があふれんばかりに並んでいます。

次男の誕生日のお祝いにケーキ屋さんに行きました。日本のような華やか
なケーキではなく、ナッツとドライフルーツが入っていて、ブルーチーズ
かと間違えそうな素朴なケーキがおいてありました。あまり甘そうではなく
なかなかおいしそうです。
いちごも1パック買って今夜のバースデーパーティの道具立ては完璧。

再び大通りにでると、大きな食料品やさんがすごい人です。
チョコレートや飴の図り売り、缶詰、瓶詰、ソーセージ、ワインや
ウィスキー、日本のお酒もありました。お米もタイ米がおいてあります。
奥の方へ入っていくといろいろな種類のパスタが並んでいます。
いつも目ざとい長男が、早速変わったパスタを見つけて友達への
みやげ用にと2種類買っています。5種類の色の小さなパスタが沢山
入っているのですが、その1つづつをじっくり見ると1種類は♂、
もう1種類は♀のXXXの形をしているエッチな代物です。
おいしく食べられますどうか、帰ってのお楽しみ!
(帰国後長男が友達にプレゼントして、食べた感想を聞いたところ、
「見た目が相当グロテスクで食べにくかった」とのこと)

イタリアモダンの家具屋さん、小さな百貨店、ぐるぐる巡り歩いて又、
足が棒のよう。ローマに着いてからというもの、毎日毎日よく歩いて
います。
見慣れたマークに出くわしました。世界中で見かけるMのマーク。
そう、マクドナルドです。歩き疲れたせいもあるけれど、何かこう
慣れたものになつかしさを覚えてしまい、“ローマのマクドナルドはいかにや?”
と知らず知らずのうちにみんな吸い込まれてしまいました。
丁度“101”わんちゃんのタイアップキャンペーンをしている最中で
チビッ子連れの家族で賑わっています。
ローマでマクドナルドは珍しいのかすごい長蛇の列です。

日本ではセットものなど割引キャンペーンをしているので、ビッグマック、
ポテト、ドリンクの三点セットでもって560円とか位で買えるけど、
ここでは定価どうり。1000円近い値段なのに、ローマの人達にとって
マクドナルドはアメリカンテイストのエキゾチックなメニューとして
重宝がられているみたい。

二時頃からシェスタ(お昼寝タイム)で大通りの店は閉じはじめている
ところもあります。
私は満腹感と歩き疲れでもうお手上げ状態。ホテルに帰ってひと休み
したくなりました。

子供達は、まだこれからどこかへ出かけると言います。
ダンナを誘って私は帰ることにしました。
二人だけで静かに歩くのもいいものです。
オッタビアーノ駅の手前の駅レバントから地下鉄に乗り、ホテルの1つ
手前の駅に下りてみました。ビジネス街なのか静かな大きな通りで、
淡いピンクやベージュのどっしりとした石造りの建物が並び、葉を落とした
街路樹がずっと先まで続いています。
歩道の脇道の公園サイドには小さな本屋さんの露店がズラリと並んでいます。
よく見るとポルノっぽい雑誌が多くあります。
私がいるせいか、ダンナは無関心を装ってサッサと歩いて行きます。
タバコをくゆらせて妖しげなオバチャン達が店番をしていました。

三時過ぎにホテルに帰り、ベッドでちょっと休憩。
観音開きの窓を開け放つと西側に傾いてきた春の陽が差して、昼下がりの
風がソヨソヨと流れ込んで来て、ああ、もう天国。
忙しく動き廻るだけが旅じゃない。こんな風にダラリンと陽にあたって
風に吹かれてローマの空気を吸うのもええやないか・・・・!!

ホテルの窓から見えるオレンジ色の屋根、屋根、くすんだ白い壁。
けむるように気だるい昼下がりのローマの太陽。
案外こんな風景が今でも脳裏に焼き付いているのです。

zzzz・・・・zzz!!




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4月21日号


ローマ・パリ10日間の旅 珍道中シリーズ 9


麗しのジーノ

さんざんなランチだったその日のディナーはどうだったでしょう。
コロッセオからパラティーノの丘、フォロロマーノの遺跡そして真実の口。
はてはテヴェレ川の西側まで足を延ばして夕闇迫る石畳を下りていくと、
もう街にはあかりがついていました。こんなに歩き回ったのは生まれて初めてぐらい。

トラステヴェレは生粋のローマっ子が住んでいるところとかで、街のなかも
さりげない、普段着の感じがする。
我が家の男達はガイドブックを広げ、このあたりのおすすめのレストランを探す。
なんせ昨夜はバタンキューと寝てしまい、今夜がローマでの初めての
「華麗なる(?)ディナーなのであります」

今回の旅行でとても有り難く思ったのはダンナを始め、息子達が地図を見て、
すぐその目的地に迷うことなく連れて行ってくれたこと。
「地図を見てすぐさま目の前の立体的な風景から東西南北を感知できる」
なんてすごい!「そんなん当たり前や!」と笑われそうですが、
私は方向音痴で地図を見ながら一発で目的地に着ける時はそうザラにはない!
我が家の男達のおかげで、私は快適な旅行をしている。そしてすばらしい
レストランに出会えた。
店の名前は「ジーノ」いかにもイタリアらしいでしょ。?
7時頃に着いたので開店直後の1番乗り、予約もなしに飛び込みでも
1番乗りは断れないでしょう。
イタリアではランチは一時過ぎから、ディナーは八時過ぎから賑わうようだ。
店の奥には粘土で固めた大きなピザ窯が据えられ、炭のような火が赤々と燃えている。

胸をはって蝶ネクタイにチョッキを着込んだ初老のおそろしく高いワシ鼻の
ボーイさんがメニューを持ってきた。
英語も書いてあるのでそんなに困ることもなく、思い思いのものを
注文することができた。
ただみんな、不安だったのだ。
ホテルの朝食は別として二度のランチは裏切られてばかりだったから。
ナポーナ広場でのランチは「本場イタリア」の期待を込めすぎたせいか
「まあまあの味」にがっかりしてしまったし、フォロロマーノ前の
屋台は思い出すのも腹立たしいぐらいの高さとまずさ。
「さて、ここジーノは・・・?」
店の雰囲気は満点、粘土の大窯がそれを物語っている。
ボーイさんは? 満点。
とても礼儀正しく、謹厳実直、ニコリともしないが、仕事に誇りを
持っているという風情できびきびとサービスしてくれる。

大窯から出てきたピッツアは・・?「これこそローマピッツアだ!」
期待通り、いや期待以上の美味なるピッツア。(ピザじゃないのダ!)
薄い生地をカリカリに焼いた正統派ローマピッツアは、はるばる
極東の国から幾多の艱難を乗り越え、裏切られながらも探し求めてきた
ローマの味。ピッツアカプリチョーザはモッツアレラチーズがとろけて、
生ハムとからみ合い絶妙なる香ばしさ。
ボーイさんが勧めてくれたピッツアマルガリータはトマトときのこ
オリーブがのった山菜風。

シーフードミックスフライなるものはいかに?
白身魚のてんぷら風・・、オリーブ油で上げているのだろう、カリッと
シャリッと衣が歯ごたえした後、暑い肉汁とともにくせのない、
あっさりとした白身魚が舌を打つ。
たこの空揚げ風・・?
イタリアでたこを食することができるとは!
オリーブオイルを使うとほんと、あっさりと風味よく揚がるの
でしょうか?
いかのいわゆるゲソてんぷら風と・・イタリアでこんな上品なてんぷら
に出会えるとは・・・!
何だか味っ子?の漫画のせりふになってきたけれど、
料理の感動を言葉で言い表すのはムズカシイ!

白豆のトマトソース煮
うずら豆ぐらいの白い豆が柔らかくまったりと、トマトソースの
シチューのようなもので煮込まれtいる。  おいしい・・!

ミックスサラダ
レタスに味も色も歯触りも似ている小さな葉の野菜。
紫色の花びらのような野菜とサラダ菜。
それらがガチャガチャと大雑把に盛られている。
(今朝の朝市でもこんな風なミックスサラダがそのまま八百屋で
売られていたような気がする。)
あっさり、ドレッシングがかけられている。
パンはフランスパンと20センチぐらいのステッィク状の固いパンが
かごに入れられて来た。

白ワイン一本
ダンナが顔に似合わず下戸なので、その血が息子達に遺伝している。
男達はグラス一杯飲めばもう真っ赤でいい気分になっている。
そうなると娘と私が自然とグラスを空けていく。
こんなにワインを飲んだことがないのに、料理が合うのか
水のような感覚でボトル一本空けてしまった。

素晴らしい料理とワインですっかり満足した私たちですが、
お代は一人2500円ぐらい! 昼の屋台では、あのホットドッグと
スプライトで1300円かかったんだョ。
お金のことばかり言ってなにわのオバチャンはケチくさいと
思われるでしょうが、ケチで言っているのではないのです。(ケチやけど)
値打ちのあるモノには喜んでお払いしたい。

「ジーノ」は料理とサービスを思うととても「安くてうまい」
おすすめの店だと思います。
「るるぶ」の編集長さん「当ったり!」でしたョ。

おいしいワインと満腹感、朝からの強行軍で、もう歩いてなど帰れません。
ローマで初めてタクシーに乗りました。
運転手さんを含めて四人乗りなので、2台のタクシーに分乗。
初乗りは6400リラなので550円ぐらい。
外国でタクシーに乗ると思うのですが、日本のタクシーは何と
いたれりつくせりなのでしょう。
大型車で自動ドア、シートには真っ白なカバー、ティッシュや
おしぼりをくれるタクシーもありますネ。
街を走っているタクシーの80%は1人しかお客は乗っていないし、
日本のタクシーは無駄が多すぎるとは思いませんか?
ハイヤーは別としてももっと車種を小さくして、自動ドアに改造
する必要もなく、白いシートカバーもいらず、初乗りを安く
してくれた方が、利用者は喜ぶと思うョ。
付加価値は不可価値に通じる場合が往々にしてありと思うのですが。
シンプル イズ ベストなり。

付加価値ついでに思うことは、オバハン向けの服いわゆるミセス
向けの服には、なんであんなにスパンコールやガラス宝石がついたり
花の刺繍があったり、毛皮がくっついてたりするの?
かえってじゃまなんやけど。
「そんなん いらん、そのぶん安くして」と私は言いたい。
電気製品にしてもいらん機能がつきすぎで、その分故障が多くなったりする。
そのもの本来の機能をしっかり主張して一つの型を守り続ける
ヨーロッパ人の頑固さの方が、私には体質に合いそうです。

かくして、石畳の道をガタガタ走り、自分でドアを開けて乗り降りする
ローマのタクシーに私はいささかの文句もございませんです。

「ジーノ」のおかげで、ローマの夜は麗しいものになりました。

あ〜っ、おいしかった!




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