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6月26日号
ふたりのイイ オトコ
「キムチ・タクアン」がやっぱりみんなに好かれていました。
そうやねぇ、やっぱりピリと辛くて、それでいて深みもあって、歯触りが好くて、
おいしいもんネェ。要するにマルチな対応ができるということでしょうか。
雑誌“an an”の好きなタレントNO.1アンケートは「キムチ・タクアン」こと
木村拓也くんがダントツトップということです。
歌って好し、踊るともっと好し、弾いてさまになり、芝居をやると田村正和と
堂々と渡り合ってしまう。もちろんルックスもセクシー!
こんなに何もかもできてしまうというのは、「器用金持ち」でかわい気がないけど、
やっぱりほっとけないのネェ。
イチローと同じように、クールで計算づくで、と一流になって、しかも流されないで
わがままを通して自分をしっかり持っている。
ふたりともスターぼけしないで、ふつう感覚をあれだけしっかり持っていられる
というのは、ものすごくバランス感覚がいいんじゃないかと思う。
常に自分を客観視してつりの「浮き」のように、起きあがり小法師のように、やじろべえ
のように微妙な動きを即座にキャッチできる天才。
イチローは開幕当初は少し立ち上がりが悪くてイチロー神話も崩れるかと思いきや、
どんどん調子をあげてきて、いつの間にか打率トップに躍りでている。
あのかわい気のない減らず口がいい。連続無三振の記録を作った時は「三振しない
のがいいって訳じゃない。最初に数えだした人の方がすごい」なんて、ほんと、なんと
当たり前の正論を吐く人なんでしょう。
その翌日216打席で記録が止まった時のせりふがまたこうだ。
「三振するだけでみんながこんなに喜んでくれてうれしい」。
もう憎いったらありゃしない。
この二人の共通点はしなやかなバランス感覚。
イチローのバッティングフォームを見ていると殆ど体は「くの字」に折れて一塁側
倒れかけている。
あんなフォームでしかもきゃしゃな体でよく飛ばすもんだと思うけど、柔道や
合気道と同じように相手の力を利用してうまく「体」をかわしているような気がする。
松井や清原選手は力でねじ伏せるようなバッティングで明らかに違ったタイプだ。
しなやかで、きゃしゃで、生意気で、一筋縄でいかない彼ら。
変幻自在にすり抜けてシッポをつかませない賢い彼らの実体はどこにあるのでしょうか?
青臭い若さがまだ匂う6月の若葉のような輝きを見せている彼らも、猛々しい深い緑を
たたえる季節にはどんなオトコになっているのでしょうか?
ちょっと楽しみなふたりです。
イイ オトコ どんどん出てきて!
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6月23日号
現代女気質
今にも降りそうな重い雲にふさがれた日曜日の昼下がり。外に出かけるのもおっくうで、
ダンナと見るともなくみていたテレビの番組は、さんまの「恋のから騒ぎ」総集編。
18、9から28、9位迄の恋の適齢期の女の子達が男性との恋について、いろいろおしゃべりする
番組なのですが、その中の一人が話していた言葉が印象的でした。
「優しい人には、甘えてあげる」「たくましい男性には、頼ってあげる」という風に
その人の長所を生かして上げるのが大切でしょ。だから「お金持ちの男性にはねだってあげるのよ!」
さんま(のけぞりながら)「おまえ、そういうのん、金目当てと言うんや!」
彼女「いいところは、お金持ちなだけ、という人なんだから、それでいいんですよ!」
この言葉を聞いて、「なるほどー!」と、目からうろこが落ちる気分でした。
相手の良いところを大いに伸ばしてあげる・・・これなんですねえ、男と女のつき合いの妙味は!
優しい人には、でれでれと甘えてあげる・・・。
たくましい人には、おんぶにダッコで頼ってあげる・・・。
男は力持ちだから、ハンドバッグさえも持たせてあげる・・・。
お金持ちには、ブランドの服、靴、バッグ、宝石なんでもねだってあげる・・・。
相手の長所を伸ばすというのは、子育てでも、教育でも、仕事場でも、大前提の金科玉条です。
彼女は、彼の長所を伸ばすべく、しっかりねだってあげている訳! 彼は、自分の長所をわかってもらえて
幸せ・・・・なるほどなあ!
女の自立だの、男女平等などと男性の長所には眼もくれないで、赤目吊って頑張っている女は
一人相撲とっているってことなのかなあ・・・。甘えて上げれば、男性はどんどん長所を引き出されて
無限に優しく、たくましい男性は女をオンブして人生をひた走って、ますます力をつけて自信を付けていく。
お金持ちはきれいに着飾った彼女を見て、自分の甲斐性を誇りに思い、ますます金稼ぎに精を出す。
こういう事だったのかあ・・・!
若い男性諸君、今時の女の子の研究にぜひ、「恋のから騒ぎ」を見て、敵情視察なさることをお薦めします。
「誰がおまえなんかに貢ぐもんか!」 調子のいい彼女の言葉に、テレビに向かってダンナはヤジを飛ばしていますが、実際に会ってみると、きっと知らず知らずのうちに、彼女の手練に乗せられて長所を引き出してもらってしまうことでしょう・・・。
ここまで若い女の子はしたたかに強くなって、恋の駆け引きを上手にこなしている。
男の子も負けないで、強くなってね!
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6月19日号
「待つ」パート2
「待たされる」のはきらいでも、「待つ」楽しみはあるようです。
ある有名な繁華街にある、隣り合わせた2軒の屋台のたこ焼き屋さん。
いつも買い求める人の長蛇の列が出来るのですが、日によって列の出来る店が変わります。
一方が長くなっていると、片方は閑古鳥なのです。これはどういう訳かと申しますと、
このたこ焼き屋さん経営者は同じなのです。だから材料も味も同じ訳なのですが、、
たまたま開店したときに並び始めた方の店に次から次へと客が吸い寄せられて長い列になるのです。
次の日はなにかのはずみでもう一方の店に行列ができて、こちらの店は暇ということになったりするのです。
これは「待ってでもおいしい店で」が「待っているお店はおいしい」という風にいつの間にか、
すり替えがおきてしまったと言えます。
かくしてアイスクリームのハーゲンダッツが始めて東京で開店した時の長蛇の列の「さくら」や、
古くはイギリスで売れ出したばかりのビートルズがアメリカツアーを始めたときに空港で待ちわびる
ティーンエージャーの「さくら」の大群を仕掛けたことも人の心を良く読んだ戦術なのですネ。
「もういくつ寝るとお正月」という歌は、あれもしょう、これもしょうと楽しさの想像力をかきたてて
待っています。
待つ楽しさは楽しい想像力をかきたててくれるから待てるのであって、悲しい方をかきたてて待つ身は
拷問になってしまいます。
「雨月物語」にでてくる新婚の夫の帰りをずっと待ち続けた新妻の話は凄みがあります。
きっと最初のうちは楽しく待ち続けたことでしょう。想像力をかきたてて今か今かとわくわくしていた
ことでしょう。それが1年経ち、2年経ち5年、6年、7年経つともう悲惨です。
夫はというと遠くの土地でとらわれの身になったり、戦になったりして、もう妻のことは
あきらめていたのですが、無性に故郷に帰りたくなり、やっとこさ帰り着くと、たおやかに
出迎えてくれた妻。再会の喜びにあふれた夜を過ごし、翌朝目を醒ますと隣には白骨のむくろが
横たわっていた・・・・。
待ち続けた新妻の凄惨さがじわじわと伝わってきそうです。
良く似た話が北欧の方にもありますネ。グリーク作の「ペールギュント」というオペラも物語は
新婚の夫が放浪の旅に出て世界中を巡り歩き、危ない目にも色好い目にも遭いながら年老いて妻の
下に帰ってくる。ここでは妻は元気に迎えて、疲れはてて帰ってきた夫が妻のひざに抱かれて息を
引き取る・・・という具合。
春過ぎて、夏過ぎてと歌う彼女ですが、体力も気力もあったのでしょうか無事夫が帰ってくるのを見届けることができたのでした。
果報は寝て待てのとおり待つときはひたすら待たないで、寝ながら待っていれば、サンタさんからのプレゼントももらえるというもの。
待つことが苦にならない人はたぶん気持ちもゆったりとゆとりを持った人なのでしょう。
わたしのように「いらち」なのは、10分間でも途方もない時間のように思えます。
自分は人を待たせるくせに、人に待たされることがきらいな勝手な人間です。
わたし、待〜つわ♪ いつまでも待〜つわ♪
(誰をや?)
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6月13日号
「待つ」
はっきり言って、私は「待つ」のがきらいです。
好きな人もいるんですネ。好きでなくても「苦にならない」人もいますネ。
尊敬してしまいます。
この間も「待つ」ことに失敗しました。
月末の銀行はどこもいっぱいですが、事務所の近辺の南森町の交差点には
3つも都市銀行があるが、どこも混雑がひどい。
11時頃に行って、もう待ち人数86名なり!
とにかく整理番号を取って待ち時間を利用して、私は11時半までに受付をしなきゃいけない
扇町(地下鉄で1つ北の駅)にある病院に向かいました。
チャアチャン(義母)の薬、1カ月分をもらいに行くためです。
銀行から全速力の自転車で5分ぐらいのところ。ここの病院もすごい数の待ち人で有名な
ところです。いつもの薬だけなら30分ほど待つと薬のカルテを出してもらえるのですが、
今回、母は少し身体がだるいのでビタミン剤が欲しいと言っております。
新しい薬を出してもらう場合はやはり担当医の先生の問診が必要なので外来の順番でお待ち下さい
とのこと。
いつも外来では2時間ぐらい待たされますが、5週目で少ないので今日は1時間以内でいける
と思いますよと看護婦さん。
それじゃあと病院の待合室で20分程待っていると銀行の方が気になってきた。
窓口4つが振込専用として計算すると86人「待ち人」は1つの窓口に約22人いることになる・・。
1人につき約2分とすると44分待つと私の順番が来ることになる・・・。手続きをして病院に
戻るのに15分もかからない・・・。緻密な計算をしてそれっとばかりに自転車を馳って銀行に
戻る。
それぞれの窓口の電光掲示板を見ると、まだ待ち人の半分のところもいっていない。
「えーっ!」以外と時間がかかっている。手続き1人当たり2分は甘かった!
4つの窓口をそれぞれ見ていると、数字が全然動かないところもある。かなり手間取っている
窓口など、10分、15分動いていない。じりじりと20分ほど待ったが、病院の方が気になって
仕方がない。看護婦さんは1時間以内でしょうと言っていました。
もうソロソロ行かないと呼んでも居なかったらもう午前中の外来を閉めて、先生はお昼ご飯に
行ってしまいはる・・・。行ったり来たり何やってんだろうと我ながらイヤになったけど
銀行は3時までやっている、と銀行待ちを見捨ててまた病院に戻る。病院は待ち人何人という
親切な表示はない、ひたすら、ひたすら看護婦さんが呼ぶマイクの声を待つ。
30分たっても40分たってもまだ呼ばれない。
あ〜あ、こんなことなら銀行でじっと待っときゃ良かった、もうとっくに振込の順番が来てる!!
結局、病院の外来の時間待ちは最初の受付から丁度2時間ぐらい。先生に投薬のカルテを書いて
もらって薬局の受付をすますと、薬の受け取りまで約1時間、さっきの件にこりてじっと薬局で
待つ? いいえ、薬は夜の7時まで受け渡しするので夕方にでもまた来ればいいのです。
それっとばかり今度は銀行に向けてペダルをチャリンコチャリンコと廻してぶっ飛ばしました。
電光掲示板の数字は私の整理番号の100の桁が1つ上がっていました・・。
「ごめんなさい」ですむ数字ではないのですが、「ごめんなさい」するしかありません。
お客様係のおじさんに「ゴメン!病院で待たされて・・・」と泣きつく。おじさんは「もう
今回だけですヨ。待ってる人みんなよう見てはるから・・」と1番端にある別の窓口の係りの
人に頼んでくれて無事支払いの振込作業は終えたのでありました・・・・・。
●急がば廻れ ●石の上にも3年 ●2兎追うものは1兎も得ず ●泣きっ面に蜂
●机上の空論 ●待てば海路の日和あり いろいろな教訓が身にしみるいつもの私でありました。
要するに、じっと待っているのがいやで、自転車で走り回って気分を変えていたということに
しましょう。
ここで問題です。
なにわのおばちゃん、この日は南森町と扇町の病院との間を何往復したでしょう??
答え: 3回
ちなみに大阪人は平均的に「いらち」ということをつまりじっと待てない人種であることを
実証しているデーターがあります。
帝塚山学院大学の大谷晃一教授の「大阪学」という本の中で著している。
★車が信号が青になる前に見切り発車(フライング)する測定値
(国際交通安全学会誌より)
1位 大 阪 平均4.92秒前
2位 東 京 平均1.84秒前
3位 ロンドン 平均0.37秒前
大阪はダントツの世界1位
で、大阪は5秒近く前に横の信号が黄色の時に発車していることになる。
★歩行者の歩く速度
1位 大 阪 秒速1.60メートル
2位 東 京 秒速1.56メートル
3位 パ リ 秒速1.46メートル
4位 鹿児島 秒速1.33メートル
5位 マニラ 秒速1.24メートル
★横断歩道できちんと青信号まで待つ人
大 阪 10.5%
東 京 47.3%
大阪名物は道頓堀の動くカニやくいだおれのピエロの人形ばかりではない。
(これもじっとしていられないから動いているのかもしれないが・・・・)
JR大阪駅東口と阪急百貨店の間の横断歩道には信号が次に変わるまでの秒数を表示する
「信号待ち時間表示機」というものがある。待ち時間が80秒から5秒刻みに表示されている。
信号を待つ人のイライラを少しでも和らげようというものかも知れないが、陸上競技の100m走の
スタートじゃあるまいし、これにはちと笑ってしまう・・・。
まあ、大阪人はこんなに待つのがきらいな人種で、私も立派ななにわのおばちゃんであることが
立証された訳です。
ちゃんちゃん!
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6月11日号
梅雨に思うこと
今夜は降るかも知れない。湿気を帯びた風が窓から入る、日曜日の昼下がり。
珍しく、家には私以外誰もいない。 日曜版の新聞に、梅酒の広告が大きく出ていた。
そういえば、このところ造っていないなあ。毎年作っていた梅酒造りが、
平成6年を最後に途絶えていることを思い出す。7年は丁度梅雨時ごろから実家の父の具合が悪くなり、
梅酒どころではなかったんだ・・・・。父はその年の8月21日、85才の誕生日の翌日に亡くなった。
大往生なのだから、いつまでも心乱すことはないと思うけれど、年老いて死んでいくこの世の常が、
私にはかえって残酷なことのように思われた。
若くして不慮の死を遂げる方が、不条理を恨めばいいだけまだしも納得出来そうな気が、当時はした。
今、残された母はひとり、実家で暮らしている。気丈だった母も、父の死後は何の生きる気力もない様子で毎日をやり過ごしている。
かと言って、兄の家族との同居は頑として受け付けない。80を過ぎてからの生活の変化に耐えられない様子だ。
70を過ぎてから日本舞踊を習い始めたり、和歌や茶、生け花を楽しんでいた多趣味で活動的な母の姿は、
今、何処にもない。 毎週火曜日が私、木曜日はヘルパーさん、土曜日は兄夫婦が母の家を訪ね、
買い物や食事の世話をしている。2、3か月に1度、東京の姉も4、5日泊まり込んで世話をしている。
奈良に住む弟も月に1度程度、金曜日の夜会社の帰りに寄って泊まって帰る。兄妹4人、
それぞれの出来る限りのことをしている。なのに母の孤独は癒せない。
庭の花を手折って花瓶に活けてあげて、次の週にいくと花は朽ち枯れても花瓶に突き刺さったまま。
母が丹精して育てた、たくさんの蘭の花の鉢の土もひび割れそうに乾いている。
一緒に暮らしている命あるものに何の関心も示さないで、ただひたすら、自分の孤独を嘆いている。
朝早くから電話をして来るので、不機嫌に答えていると、朝寝坊だとしかる。仕事場にも毎日何回も電話をしてくる。
愛のストーカーならぬ、老いのストーカー・・・。
今朝も電話で、老いた母とケンカした。土曜日に兄の奥さんが作ってくれたお総菜が、多すぎて困っていると言う。
「向こう隣りの一人暮らしの山本さんにおすそ分けしたら?」と、余り近所付き合いをしょうとしない母に言う。未亡人どうし、
グチなり、寂しさなりを言い合える仲になって欲しいと思うのに、未だに人に弱みを見せようとはしない。
「それはできん!」とはっきりいう。お総菜を上げたり、貰ったりすることを、みっともないようなことの様に言う。
「そんなこと言うてると、いつまでもひとりぽっちやよ!」と売り言葉に買い言葉。無気力に見えて、滅茶苦茶意思が強いんだから・・・・。
結婚して母の勢力圏外に逃れたとホッとしていたのに、このところまたまた母の引力が老いという絶対的権力をかさに強まってきた。
世に言うかわいいおばあちゃんってどんなんだろう・・・。
心は千々に乱れながら、梅酒のビンを洗う。3年ぶりに梅酒を造ろうと思う。
そういえば、梅雨が降り続く頃、私が小学校から帰るとらっきょの根を切るつんとくるような匂いが部屋中に立ち込めていた・・・・。
ある時は打ち直したふとんの綿を部屋中に敷き詰めて髪や手にいっぱい綿毛をつけてふとんの手入れをしていた時もあった・・。
きのう義母と一緒に着物を虫干しした時、嫁入りの時に母に縫ってもらった着物が数着でてきた。
あの母がらっきょを作っていたし、ふとんを作っていたし、着物を縫ってくれていたんだ。
そんな母だったんだ。
母がいないところではいとしく思えるのに、声を聞くとどうして気持ちが優しくなれないんだろう。
ひとりの昼下がりの日曜日、湿気た風が吹いている。
今日はわらび餅を作って、梅酒の仕込みをしよう。ふとんや着物を縫ってやれない私は他に何か作らないと、
娘は私のことを思い出す材料がなくなってしまう・・・。と思えた。
しっとり!・・・・
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6月5日号
ボケが始まったか、なにわのおばちゃん。
このところ、落とし物をよくする。
私は元来ケチなので、あまり落とし物、忘れ物はしない方だと思っていたのに、
連続して大事な物を無くした。
1度は前日に買ったばかりの地下鉄の定期券。これは落としたことさえ気づかずに、
近所のご主人が夜に届けてくれて、「あれえ、落としてたあ?」といった具合・・・。
恥ずかしかったのは、私の定期は年齢39才のまま・この頃いくらなんでも気がひけてきて、
ようやく40才に申し込みの時に書き換えたのに、係りの人、何を勘違いしたのか、
それともいくら40と書こうとしても、なぜか変な力が働いて、39しか書けなかったのか、
またまた39になっている。これはきっと、「あなたは39のままでいなさい!」という天なるお声に違いない・・・。
「サンキュウ、サンキュウ」と、ご好意に甘えて39才の定期券を持たせていただいていたのだ。
そのご主人、幼稚園に行っている女の子のお父さんだから、せいぜい35、6だと思う。
すると、私の39才、「僕より3、4才年上だけな訳、ネエダロウ!(なぜか、べらんめえ調・・)」
てな感じで、「サバ、読みやがって!」と家族で話題になってるんと違うやろか・・・ちょっと心配。
そして昨日は、キーホルダーを失くした。(と思った)
家の鍵、事務所の鍵、長男の下宿の鍵、それにトランクケースの鍵がついている・・。
6時過ぎから始まるジャズダンスのレッスンに行こうと5時半に事務所を出ようとして、
鍵がないことに気がついた。カバンの中も、机の中もみんな探して見つからない!
夢の中にでもあるのでしょうか?(歌っている場合じゃない・・・)
7月20日に公演をひかえて、今振り付けや、構成でみんなピリピリしている。
遅れる訳にいかない。休むわけにいかない。そんな切羽詰まった折りに、よりによって大事な鍵がみつからない。
私ってバアーカアー・・・・!
自己嫌悪の泥沼にのたうちまわって30分、それでも誰も帰って来ない。事務所をこのまま空けていこうか?
いやいやうちの事務所の金庫には、何億という隠し金や、野村証券から利益供与を受けた株が、
ウンウンうなっている。空けて出るのは、ヤバイ!(と、1度は言ってみたい・・)
あちこち探しても見つからないものは、しゃあない。どっかに落としたか、忘れたか。
午前中立ち寄った所にもTELして、無かったし、警察に問い合わせても届いてないと言うし・・・。
幸い、キーホルダーには、名前も住所も書いて無いから、後々、何の不都合もおこらないのんとちゃう?と、
勝手に納得した。納得したら、レッスンのことがやたら気になってきた・・・。
もうすぐ7時。あと、3、40分で、レッスンもおわる!
いつ帰るかわからん人を、このまま待ち続ける訳にはいかん・・・。
「よし!」私にあることが、突然ひらめいた。よく隣の女の子が、鍵がないと言って、
うちの事務所からベランダづたいに窓からはいったりしたことがあった。あれの反対をやろうと言うわけだ。
このビルは、土地柄、職・住、半々位の入居で、お隣は、20才の女の子と、中学生の男の子がいる家族が住んでいる。
まず、お隣に「ピンポ〜ン・・・。」幸い男の子がいた。「鍵、なくしたから、お宅から出さしてくれる?」
お姉ちゃんが時たましているから、弟も慣れた物でカバンと靴を早速受け取って、待っててくれる。
入口のドアの鍵をプッシュして、ベランダからお隣のベランダへとよじ登る。
丁度境目のところが丸いバルコニーになっているので、かなり移りやすい構造になっている。
スタジオに着いてからの着がえる時間を節約する為、すでにレオタードの上にサウナパンツをはいて、
上から出勤した時に来ていたジャケットをはおっているものだから、牛若丸も五条の橋の欄干にひらりと飛び移ったのは、
ざっとこんなもんだろうというような感じで難無くクリア。
かなり不思議なかっこう、でもかなりイケてるような気もするファッションで事務所から
1駅ある北浜まで5分で走る。中之島を縦断して肥後橋まで行くので、北浜でタクシーを拾えばあとは1本道。
北浜の信号前で向こうの車道にいたタクシーがなぜか止まってバックしてきている。
運転手さんの感なんだろうか?それとも私はあからさまにイライラして、地たんだふんで信号を待っていたのだろうか?
信号を渡ってタクシーに近づくとドアを開けてくれる!
「ごめん近くて!肥後橋まで行って!」
大きなバッグを下げているので空港ぐらいまで行くお客と見込んで止まったかもしれないタクシーの運ちゃん。
相手の思惑を見越して先に一言、一瞬やっぱりがっかりしたみたいやったけど、知らんもんネ。
レッスンは1時間程遅刻してあと30分ぐらいしかなかったけれど、大事なところは何とかカバーできた。
18才の若い子達もいる中に御歳50のオバサンです。オバサン色出さずにいかにキレ味よく踊るか・・。
これはもう中村歌右衛門さんが歌舞伎で若い娘になって踊られるあの芸の力を少しでも煎じて飲みたいところ。
オバサン色どころかドドメ色になりそうと気弱になる時もしばしば。
7月20日大阪厚生年金会館中ホール、なにわのオバチャンの花は見事開くでありましょうか?
そんなこんなで私はこのところ心ここにあらず。
キーホルダーは駅前に停めていた自転車の篭の中にチョコンと入っていた!
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