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11月26日号
いろんな秋 その3、収穫の秋
秋になるとこんなに木々が色とりどりの実をつけるなんて、知らなかった!
雑誌「銀花」のーつるで篭を編むーという特集を見て、ムラムラとまた編みたくなってきた。以前に子供の中学校の、PTA成人教育活動で教えて貰って、初めてながらなかなかいい味の花篭ができたので、又編んでみたいと秘かに思っていたのです。
秋の野山を楽しもう!とダンナをうまく誘い出して、奈良の二上山あたりまでドライブに出掛けました。どんな蔓がいいのか訳も分からず、とにかく木の幹にぐるぐる巻いているのや、葉の茂みから垂れ下がっているのなど、蚊に刺されながら、汗だくになって引っ張りおろしました。ダンナは色男なので、こういう作業はめっぽう似合わない。えらいことやらされているという感じがみえみえだけど、男だけあってやっぱり力が全然違う。そして高いところにかたまってぶら下がっていたのを要領よく見つけて「もうこれだけあったらええやろう!当麻寺の方へ行ってみよう」ということになり、後半は古寺巡礼のドライブになりましたが、すすきや紫式部のかわいい実が付いた枝、蔓がゴミ袋2杯という収穫を得ました。
篭に編むにはどんな蔓が良いのか分からずに、やみくもに取ってきたものだから、この蔓達はめちゃくちゃ個性がきつくて奔放。PTAで教えて貰った時は、すんなり素直な蔓で、割合簡単に編めたのだけど、これらは「こっちにおいで」と頑張って編み目をそろえようにも、言うことを聞いてくれない! もうその個性を生かして無頓着に編むしかなく、ひん曲がってごつごつした、めっぽう存在感のある野趣に富んだ花篭が生まれました。
すすきと紫式部、ザクロの実をその篭に投げ入れて、収穫の秋その1、出来上がり!
ダンナの伯母さん(義母の妹)の住まいが東大阪にあり、300坪もの広い生産者緑地の菜園があります。
毎年季節毎に桃や柿、さつまいも、じゃがいも、大根、タマネギ、コマツナ等分けて貰っていましたが、「柿が熟れてるよ〜、芋ができてるよ〜」と言う電話の声に誘われて、今年は私達で収穫しょうと、芋掘り、柿狩りに出向きました。
私達のために芋畑を6畳分ほど掘らずに残してくれていました。一足ズコッとシャベルを踏み入れた時の感触の良さ! 2日前に雨が降っていたので、結構心地よく土にめり込みます。シャベルで畑の土を掘るのは初めてのことだけど、腰つきなどなかなかイケテル感じではまりそう!
芋の周りを2、3回シャベルで攻めて、最後にゴソッと土ごとこそげ取る。
伯父さんに教えて貰ったものの、なかなかうまくいかない・・・。せっかちなもんだから、つい2回目ぐらいで芋を掘ろうとして、芋の上にシャベルをグサッと入れて切ってしまったり、あわててシャベルを上げて芋を折ってしまったり・・・。
落ちついて焦らず掘らないと、丸ごとのきれいなさつまいもは掘れません。4、5回シャベルを入れていると、もう背中に汗がぐっしょり!
それでも掘り返された湿った土の匂い、かぶと虫の幼虫、黒いヒル、みみず、いろんなモノが土の中から出てきたけれど、何だかなつかしい感じ・・・。私は嬉々として夢中になったけれど、ダンナはやっぱりここでも似合わない!
「全然場違いやねえ、ほんまに御殿さんやねんからぁ」
「キミは農婆ぴったりや!」
お互い憎まれ口をききながら、それでも3坪程の芋畑を掘り返し、段ボール箱2つ分ぐらいの収穫を得ました。
芋のつるも柔らかそうなところをはさみで切り集め、炊いてお総菜にしょうと思います。戦時中食べるモノがなくて、「芋のつるまで食べた」という話を良く聞きますが、そのつるがとてもおいしいのです。このごろでは、つるを食べるために、お芋を植えていると言う人もいるぐらいだとか・・・。山ぶきとぜんまいの合いの子の様な味と感触で、たけのこや干ししいたけと一緒にダシとミリンで煮込むととても風味豊かな山菜の一品になるのです。
これも伯母さんが以前作ってくれたのがあまりにもおいしく「これが芋のつる?」と、飢えてひもじい時の仕方なしの食材のイメージと、とてもかけ離れているのに驚いたものでした。
米軍の捕虜が日本兵に虐待されたという戦後の証言の中に、「木の根っこを食べさせられた」というくだりがあったということですが、それは美味なるごぼうのことだったのです。
芋のつるもそんな誤解があるようです。
渋柿も200個近く収穫してその日の内に皮をむいて干し柿にしました。
土を耕し、種を蒔き、炎天下の中草をひき、水やりに精を出した伯母さん夫婦の労働の結果の「秋の収穫」、私達のは「略奪の収穫」と言えましょうか。
収穫の秋その2、出来上がり!
収穫だけでもああしんど! でも農婆にはまりそう!
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11月17日号
いろんな秋 その2、文化の秋
お天気続きで私はご機嫌なんだけど、雨が降らなくてあちこちで渇水、節水を始めたというニュースが飛び込んできています。 世の中ままならないもんだ・・・、あちらを立てれば、こちらが立たないと思っていると、夜中に雨が降って朝には上がっていた・・・。これなら両者うまくいくといったもんだね!
この秋、素晴らしい美術館と博物館に出会いました。
南河内の古墳群の真ん中に、「近つ飛鳥博物館」という、ワクワクする博物館があります。安藤忠雄氏の設計と聞けば、きっと「どんなんかなあ〜?」と興味を惹かれる方も多いと思います。そして、彼の設計作品は期待を裏切らないというより、「やったね!」と思わずニタリとしてしまう程心憎い演出がきいているのですね。
この博物館は無機質なむき出しのコンクリートなのに、心も体も遊んでしまう、贅沢で寛大な空間が広がっているのです。決して奇をてらった斬新さじゃなく、「なるほどね!」と妙に納得してしまう凄さ。
博物館の屋根は、広い階段状になっていて地上まで降りていけます。山を背にした階段を登ったり、降りたりしながら、ピラミッッドや古墳はこんな風だったのかもしれない・・と、遠い昔を想像してしまいます。
両側が高いコンクリートの壁に挟まれた、幅2メートル足らずの狭い通り道を歩くと、足音が壁に反射して不思議な音が響きます。おもしろくなって、ダンナとタップダンスのようにリズムを刻んで足踏みをしていると、足音が乱反射してとんでもない、無国籍・無時代のおもしろい音楽が出来上がりました。これって、安藤さん、始めっから計算して作ったのかなあ〜。そうだとしたらすごい天才だと舌を巻いてしまうし、偶然だとしたら「こんなおもしろいことができますよ!」と報告したい気持ち・・・。
中に入ると、らせんを描くようなゆっくりした動線で、薄暗いなかを降りていきます。
そこかしこに埴輪や副葬品のかけらなどが展示してあり、あたかも古墳の中に入り込んだかのよう・・・。
圧巻は、全長5、6メーターはあろうかと言う、「修羅」。古墳を作る際におおきな石をこれに乗せてみんなで引っ張ったのでしょうか、黒々として、朽ちかけた巨大な木製のそりのようなものが、地中から発掘されたようです。
高い石塔がある展示室は吹き抜けになっており、上の階の渡り廊下を石塔の上に横断させてのぞき込めるようにしてあります。
こんな風に出来たら、同じ見るにもおもしろいやろなあ〜と思うことが、次々と目の前に出されて、ほんと、うれしくなってしまいます。 眼でみるだけじゃなく、古墳時代の気配を感じとれる博物館です。屋根の階段の天辺に登って河内の丘陵の広がりや、色づいた木々を眺めていると、「民のかまどの煙は上がっているかのう・・・?」という気分でございます。
アサヒビール大山崎美術館は、サントリーのウイスキー工場で有名な山崎を一山越えたあたり、明智光秀と秀吉が決戦をした天王山近くにあります。
ニッカウヰスキーの創設にも関わったという明治・大正時代の大富豪、加賀正太郎氏の私邸だったと言うこの山荘は、ちょっと感動ものです。にわか成金にはとてもまねのできそうにもない、「本物」の贅がそこにはあるように思います。
加賀正太郎氏はスイス・アルプスのユングフラウ登頂に成功した初めての日本人であり、洋蘭栽培に大きな功績を残した趣味人らしく、現代の世知辛い世の中には出てきそうもない人材のようです。
そんな由緒ある山荘に、元アサヒビール社長・山本為三郎氏の私的コレクションの寄贈作品が展示されているという訳で、ぞろぞろとサントリー、ニッカ、アサヒビール、3つの洋酒関係会社の名前が出てくるおもしろい所なのです。
氏のコレクションは、浜田荘司、河井寛治郎、バーナード・リーチ等、私の好きな涎のでそうな陶芸が並んでいます。そして窓のステンドグラス、天井のシャンデリア、天然木そのままのゆがみを生かした太い梁や柱、バスルームの1枚1枚焼いたと思われるタイル、暖炉等、あの時代に世界中から船便でいちいち取り寄せたのでしょう、長い年月を掛けて丹精込めて作られた山荘自体が素晴らしい工芸品になっています。
3階のティルームになっているベランダからは、木津川、宇治川、桂川の3つの川が合流しているダイナミックな風景が目の前に広がり、こんな素晴らしい風景を探しだし我がものにしていた加賀正太郎氏のことが、改めて感じ入られます。「本物の富豪ってこういうこと、するんやねえ!!」「こんな山の中、買い物が不便やわあと、私らは思うてしまうけど、女中さんや使用人が沢山いててそんな心配はいらんかってんやろうねえ・・・」友達と呆気にとられながらつぶやく言葉は、悲しいかな庶民の感覚では推し量れないことばかり。
山荘にため息をつき、展示品によだれを流してロレロレ状態のところをさらにもう一発!
別館に、安藤忠雄氏設計の「地中の宝石箱」という名前の、地下に埋もれた美術館があるのです。山荘のまわりの素晴らしい景色を侵すのを彼は恐れたのでしょうね、地中深く潜り込んだようです。彼らしいですね。地下に降り立った途端、モネの「水蓮」が静かに浮かんでいました。
ジャコメッテイや微笑ましいミロの彫刻など、「こんなのアリ?」って感じの楽しい作品です。
【大山崎美術館の紅葉写真】
この秋お薦めの2館と言いたいのですが、人が多く集まってごった返している姿は見たくない、ひっそりとして知る人ゾ知る美術館であってほしいので、
あんまりPRは、したないねんけどね〜!!
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11月4日号
いろんな秋 その1、スポーツの秋
ちょっと仕事が忙しくなって日記をさぼってしまいました。
その上、このところめっちゃいいお天気つづきで、休みともなると郊外へ浮かれ出ていましたので・・・。
血液型がB型なもんで、あまり几帳面じゃなくていい加減なところがあるのです、私!
自分に優しく他人に厳しい私は、多分子供達や家族にプレッシャーをかけてしまいがちですが、このいい加減さで、最終的には自分や相手を追いつめてしまわないという長所があることに、気づきました。
「毎週日記を書かんとあかん!」なんてプレッシャーかけるとしんどいでしょ! (単なる言い訳・・・)
そうこうする内に、いつの間にか晩秋の気配ただよう季節になろうとしています・・。色づいた落ち葉が木枯らしに吹かれて、カラカラと舞い出す頃は、とても寂しーっ!!
とまれ、この秋はいろいろ満喫しました。スポーツの秋。収穫の秋。文化の秋。
スポーツの秋・・「なみはや国体」の開会式が、地元・長居競技場で行われました。近所なもんで、散歩のついでにひょいと見に行くつもりだったのに、チケットぴあで入場券を買っておかないと入れなかったんですね・・。幸い友達が余分に買っていたのを分けてくれたのですが、大層なことだったんだ〜、国体って!
大層と言えば、天皇・皇后両陛下がご臨席ということで、1週間前から公園周辺はお巡りさんがウロウロ。競技場に隣接しているお寺の墓地の中まで、巡回が繰り返されていました。通りのマンホールの中もくまなく調べられたのか封印のシールが貼られていましよ。
当日は、競技場の入口で荷物の中身を調べられたりした後、聖火台の近くの席に着いたのですが、後ろの方が何やら騒がしい・・・。見ると、斜め5、6人後ろの席の中年の男性と私服の警官らしき人とが激しく言い争っています。どうやらボデイチェックが人権蹂躙だと男性が拒否をしたためらしく、「この人は危険ですから、皆さん気を付けてください!」とその警官は大きな声で叫び、ぞろぞろ私服の頑丈そうな警官が7、8人やってきて、その人の周りを取り囲んだまま観覧していました! その人が別に何をしたと言うわけでもないのにものものしすぎて、楽しいはずの開会式も、おかげで興ざめの感ありです。
天皇陛下一行が皇居から一歩外にでられた途端、行く先々でこんなにも警備の大陣が組まれなきゃいけないなんて、ほんと、天皇ご一家も、警備陣もご苦労様なことです!
それにしても皇室の人気はまだまだすごいですね。競技場の出口には、お二人を一目拝見しようと言う人達で、お寺の石垣の上まで鈴成り! 見かねた警官が石垣から降りるように注意をしたら「ちょっとの間やから、かんにんしてえなあ、めったにないことやねんからあ・・・」と言うおっちゃんの言葉にその若い警官も苦笑い。
私もそのまま見過ごせずに人垣の間から背伸びして、30分位ひたすら待ち続けてホントにあっと言う間の瞬間!遠くにお二人の姿が垣間見えました。何年も前からこの日のために、駅の改装や競技場建設、公園整備と大変でしたねえ。関係者の方は、終わってホットしていることでしょう。山田勇大阪府知事(アナウンスで聞いて、誰のことかわからなかった!ノックさんのことだったあ)も47年に1回しか廻ってこない国体の主催者になれて、ほんと、運の強い人ですね!
国体と言えば、昭和43年の埼玉国体にダンナはライフル射撃の選手で出場したそうな。
彼と初めて知り合ってまもなく、国体選手だったと聞いて「ぐらり」と来ましたね。
国体選手と言えばハンマー投げの室伏君のような精悍でかっこよくて、運動神経バリバリの人ってイメージを誰でも抱いてしまうよね?
真相は、結婚してから見事無惨にあばかれました! 彼は確かに国体選手で、その翌年には日本新記録もだしたんだから、やっぱりめちゃかっこいいのよね。でもよくよく聞いてみれば鉄棒の逆上がりも大学生になるまでとうとうできなかった飛びきりの運動音痴だったのだぁ!
小学校の体育の成績は「2」。 弱虫坊主が一念発起して大学の体育会に入部し、「体育会のなかで最も体の固い奴」という名誉なレッテルを貼られながらも、ライフル射撃の腕をめきめき上げたらしい。そりゃあ射撃は走ったり飛んだりしなくて、じっとしてればしている程いいんだもんね! 体の固さが幸いしたのでしょう・・・。
「頑張れば、君だって出来る!」キャンペーンのモデルみたいなんだ、彼は。
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