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12月22日号
「伊丹さん・・・・」
まだ私が世間のことを何も知らない、ただのガリ勉女子大生だった頃(30年経った今でも悲しいかな、私は相当な世間知らず!)、
彼の著作「女達よ!」を読んで、世の中にはこんなに博識で、しゃ脱な一流主義の男の人が居てるのか・・・と衝撃を覚えたことを思い出します。
日本人が海外に出るのにまだドル制限があった時代に、イギリスやフランスの上流階級の本物志向を紹介し、
文学、芸術、衣食住あらゆる分野で一家言を持ち、ちょっと嫌みなぐらいキザでしたが、口だけでなく実践している人だったので、
妙に説得力がありました。ルイ・ヴィトンや、エルメス、グッチ等の名前は彼から輸入されたみたいなものです。
私の中では、伊丹十三・・・「本物の大人の男」のイメージがずっとついてまわり、陰ながら尊敬もし、気になる人でもありました。
ここに上げるのは、エッセイ「女達よ!」の中の(セーター術)の部分です。
いいセーターは、まず、99%、高くてプレーンなものである。また、安くて飾りの多いセーターに、決していいモノがないことを、
私は断言してはばからない。
もっと具体的にいうなら、セーターはカシミヤかシェトランドに限る。
胸に花模様の刺繍のあるセーター、ビーズで模様を縫い取りしたセーター、こうしたモノは美学的貧民の着るモノであって、
したがってそういうセーターを着た女には、私は三メートルの棒の先ででも触りたいと思わない。
(ただし、私が今話しているのは、街着のセーターであって、スキーウエアとか、それから街着にしても手編みのモノは一応除外しょう)
女のセーターの着こなしでは、英国流と、フランス流、この二つが一等洗練されているように思われる。
英国の上流階級の少女の典型的な服装を言うなら、たとえばグレイのカシミヤのトゥインのセーター、
つまり半袖の丸首と長袖のカーディガンが一組になったやつを着て、ごく暗い色の毛織りの細目のスカート、
そして大きな絹のスカーフなんかしている。・・・・
この後、エルメスのスカーフの説明、グッチのざっくり厚めの豚革の靴とカバンがセーターにはよく似合う・・
とスタイリスト顔負けのフアッションコーディネートの話、フランスの女の子の粋でコケティッシュなおしゃれの方法と続いていきます。
今でこそファッション雑誌が山ほど、ああでもない、こうでもない、こんな風にしたらいいといろいろアドバイスしているけれど、
三〇年前にすでに彼は、微にいり細にいり女の子のおしゃれにうんちくをかたむけていたのです。
そんな彼のことですので、その後、宮本信子さんと再婚したとき(前妻は有名なピアニストです)、「おや!」と思ったモノです。
彼女は、有名でもなく、美人でもなく、むしろ女優さんにしてはイモくさい素朴な感じの、でも気だては良さそうな人と言う印象でした。
あの、一流主義の、審美眼の鋭い彼が愛した相手にしては、はっきり言って役不足かなという感じがしたのです。
事実彼女は、伊丹さんと結婚してから相当、お洒落について鍛錬を受けたと、TVで話していました。
持ってきた服は、ことごとく駄目が出て捨てられたそうで、歳も一回り離れて、光源氏と若紫の関係のように、
宮本さんは伊丹さんに「いい女」になる教育を受けて、鍛えられてきたような気がします。
まだ若い宮本さんのなかに、「いい女」の萌芽を見つけだした伊丹さんの審美眼は、やっぱり大したモノだったのです。
一流主義のキザで嫌みなところもあった伊丹さんが、結婚後、柔軟な一回り大きな包容力を兼ね備えてきた印象を与えるのは、
宮本さんのおおらかな気だての良さからの影響だと私はつねづね思っていました。
女は「いい女」になり、男はより「大きく」なって、お二人のおしどりぶりは微笑ましくもあり、宮本さんは健気でもあり、
最近の「夫唱婦演」の映画シリーズも、うれしく、陰ながら応援してきたのです。
遺言の「宮本は、妻として、母として、女優として、世界一です・・・」とあったのは、伊丹さんの本心だと思います。
さようなら「伊丹さん・・・・」
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12月12日号
節子さん、エコちゃん、大人気!
京都での、第3回地球温暖化防止会議で、「日本は、6%CO2削減」という提案に落ち着いたという報に、
「まあそれなりに、みんなぼちぼち努力していけばいいんやわ・・・」と、ひとりごちていました。
(ここらあたりB型、A型のようにすぐに熱くなれないんだわ〜)
ところが昨日、「ニュースステーション」を見ていたら、6%削減とは、国民一人当たり大きなドラム缶3個と
20リットル入りタンク3個分の燃焼削減に等しいと、久米さんが言っているのを聞いて、唖然!
CO2削減は、てっきり車メーカーや大工場、発電所などが努力すればいいことだと思っていたのです。
でも私達も日夜、燃やす量を減らさんとあかんのやね〜!
その気で生活の周りを見れば、ごろごろと不必要で無駄なことが、いっぱいあるのに気づきました。
(激しい運動をして、余分な炭酸ガスを排出するのも考えもんかな〜?)
まず、節電・節ガスが一番大きいでしょう。
夏のクーラー、冬には使わないもんね、元の電源を切っておきましょう・・・と。
その他、テレビやコンポ、コタツから電子レンジまで、あらゆる電気製品の待機電力を合わせるとかなりなモノになるでしょう。
でも頻繁に使うモノにまでいちいち電源を切っていたのでは、プラグは傷むし、
立ち上がりの電力の方が余計にいるということにもなるので、その辺りは、もちろん臨機応変に・・・と。
牛乳紙パックと瓶との、「どちらが環境にやさしいか?」という比較展示を、琵琶湖自然博物館で見たことがあります。
「緑を守るためには、やっぱり瓶にせんと・・・」と思いがちですが、びんを回収して、消毒、乾燥、再び配送の経路を追っていると、
CO2排出が紙パックの43倍?(位だったと記憶しているのですが・・・)になるのを見ると、
環境問題も複合的で、難しいモノだと思いました。
京都会議の記事が新聞をにぎわせている頃、日頃肩身の狭い思いをしている原発がここぞとばかりに
「原子力発電所は、CO2を排出しません!」という全面広告で訴えていましたが、これも核廃棄物や放射能汚染の方向から見てみると、
「そんなに大きな口たたいていいの?」という気もしないではありません。
「あちらをたてれば、こちらがたたず、とかくこの世は難しい。」漱石さんも草葉の陰から思っていらっしゃることでしょう・・・。
とまれ、CO2削減の技術開発のややこしいことは企業にまかせて、
私達は身の回りのささいなことに気を付けて生活するだけでも、みんなのが集まれば、ものすごい量になるのですから、
そこから始めればいいのですよね?
庭のある人は少しでも生ゴミを堆肥に、トレイやペットボトルはリサイクルに(ダイオキシンも排出減少)、
もちろん新聞紙、段ボール類も再生利用に励めば、森林破壊も少しはくい止めることが出来るでしょう!
洋服も、リフォームしたり、譲って上げたりして、とにかく捨てることに気がとがめるように気持ちを持って
行くだけでもだいぶん違うでしょう。
(ブルセラの女子高生が、スケベーなおっさんに古い下着やセーラー服を売るのは、このリサイクルの精神?)
こうして書いていくと、全部当たり前のことですね。日本が高度成長する前まで、殆どの人達がしていたことなのですネ。
「消費はいいことだ!」、「大きいことはいいことだ!」という誰かが言い出したスローガンに踊らされて、
70年代からじゃぶじゃぶ使い捨てが始まったのです。
長男(ただ今22才)を生んだ頃、まだまだ布おむつが主流で、丁度パンパースがアメリカから入りはじめた時でした。
当時一枚100円位して高かったこともあり、外出時に使う程度でしたが、20年経つ今や、
布おむつを使っている人を捜すのが大変なぐらいの普及です。
あの何枚も重ねた紙の量と、ゴミとして燃やす量を世界中から(殆ど先進国の赤ちゃんでしょうが)集めてみたら、
切り倒された木と、CO2排出はとんでもない量になると思うのですが・・・。
でも、テレビのCMでかわいい赤ちゃんのすべすべしたお尻がアップに出てきて、「ほうら、こんなにサラサラッ!」
なんて毎日口説かれて、おむつを替えてもらってにっこり笑顔の赤ちゃんを見せられたら、
布おむつを使う方が赤ちゃんに悪いみたいで、きっと若いお母さんは罪悪感を感じてしまうやろね〜・・・。
ちょっとした靴下や下着のほつれは、繕って身につけますが、かっこわるいとか、
しみったれているという気持ちも正直動いてしまいます。
ジャズダンスのレッスンに行くときはそんなモノはさけます。
でも、母や姑は、もっと傷みの激しいモノでも布を当てて堂々と使っています。
人前で脱いだりするときが殆どないからということもあるかもしれませんが、
やはり戦争を体験してモノを大切にする気持ちが心底根付いていて、少々の消費ブームなんかに踊らされないのでしょう・・・。
時代に取り残されているように見えてた世代が今一番すすんでいる人達と言えそうです。
一方、帰省した息子達のファッションを見ると、原型をとどめないぐらいつぎはぎで、
ぼろぼろのジーパンを堂々とはいていたり、米軍、独軍、日本軍の古着をかっこいいと感じて着ていたりと、
おばあちゃん顔負けのなんと環境に優しい、モノを大切にする精神がすすんでいることか!(トホホ・・・。)
息子らがその精神で着ているかどうかは別として、ブームを作っていこうとする若い人達!
今、最もはやっているのは、「eco]。 環境に優しいってことだから
今や、節約することは、ものすごい「かっこいいこと」なんよ〜!
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12月4日号
ぴかぴかの1年生!
私達なにわのおっちゃんとおばちゃんは「電脳中津川小学校」の1年生です。
今年入学して出席番号は99番です。
高知県の四万十川支流の中津川流域にある中津川小学校が、平成8年3月をもって
休校となりました。120年間続いた伝統ある小学校が過疎によって休校せざるを
えなくなったことを残念に思う地元の農林業を営んでいる林さんをはじめいろんな方が
発起人になって電脳中津川小学校が創立されました。
高知県出身の京都大学OBの野崎さんや地元の畑さんが用務員をかって出て世話役をしてくださり、
今や全国から集まった同級生は360人余りにもなりました。
授業内容は四万十川流域の自然の学習、夏休みには実際に四万十川の川下りなどのスクーリングを
したり、秋には運動会を催したり・・・。流域の植物図鑑つくりやサウナ風呂作りなど大人も子供
いっしょになってなにやら楽しく遊んでいる様子。
また、中津川の同級生のメール仲間には、ごんたさん、梅仙人、電脳仙人、かわうそ村のぶ〜さん、
あられちゃん、ウサギさんなど絵本に出てきそうなキャラクターの名前の人達でわいわい賑わっています。
人々の心を結びつける「心の学校」らしく、クールとニヒルの看板を建ててたダンナ(なにわのおっちゃん)も
この小学校に入学してからすっかり小学生気分になって、同級生の議論に参加したりしてえらいホットに
なってきました。あげくの果てに、はしゃぎ過ぎて自分で停学処分にして自宅謹慎中です。
ま、どこでもやんちゃなガキンチョはいるもんです!
今、この小学校の討論会では地球温暖化問題などの環境問題に侃々諤々の熱い討論が交わされています。
カナダやペルー在住の同級生も加わり、それこそ地球規模のネットで意見が飛び交っているようです。
今まさに、京都会議が開かれている最中で電中小の同級生たちはいろんな地域からこのなりゆきを見守っているみたい・・・。
昨日、中津川特産の「香り米」や大根、柿、ゆずなどが送られてきました。この地方の農作物を活性化
させるための試供品ですが、かしのドングリや手作りのお味噌まで入っていてなんだか中津川に故郷が
出来たような、うれしい気分です。
「香り米」は不思議な香りのするお米で高知県内では有名らしいのですが、大阪に住む私は、
そんなお米の存在すら知りませんでした。今晩そのお米を少し混ぜて炊いて見ます。
一割ぐらいのブレンドが味も香りも良いということですが、どんな香りがしてどんな美味なご飯が炊けるか楽しみです。
「作ってくれた人の顔が見えるモノを食べる」というのは、同じ食材でも食する方の気分は、
まるで違って来るような気がします。母親の手作りの料理と、同じメニュウのレトルト食品を
食べ続けるのとでは、子供の気持ちもどんどん違ってくると言うものです。
流通で大量に手に入るモノは、使う側は気持ちの上で、どうしてもぞんざいになってくるのじゃないでしょうか?
作り手の人も、食べてくれる人の顔が想像できる間柄だと、有害だとわかっている殺虫剤や防腐剤を
無尽蔵に使おうとは思わないでしょうから・・・。
田辺さんが作ってくれたというお味噌は、ふろふき大根にするとおいしいそう。
遊び半分で入学したのですが、ここの小学校は心も体も頭も十分遊ばせてくれるようです。
かしのどんぐりは、プランターに埋めて苗に育てると、中津川の山に植えて下さるそうです。
一本でも根付いて大きくなって行く姿を想像するだけでもうれしいじゃ、あ〜りませんか!
「来年あたり現地を訪れたいなあ」と同級生のなにわのおっちゃんと話しています。
今回は、小学生らしく真面目に作文しました。
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