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1月27日号



梅は咲いたか・・・?

 長居公園の紅梅がチラホラ咲いていると言う声を聞いて、何を勘違いしたかなにわのおっちゃん、 「梅仙人(電脳中津川小学校の同級生)のいてる、南部(みなべ)の梅林はもう満開や、はよ行かな梅が散ってしまう・・・・!」と18日の日曜日、朝から本降りの雨の中、愛車(バブルの真最中に買った、雌豹のような図体ばかり大きなヤツ)を駆ってあわてて出掛けようとする。(近頃HPに載せ始めた、「悠遊素敵」の撮影なのだ・・・)
 私も物見高い方やから、おやつとお茶をかかえて、消防士のごとく素早く助手席に滑り込んだ。

 和歌山に向かう高速道路では、水流下りのウォータージェットのように両側に水しぶきの幕を拡げながら走り抜いた。ワイパーが忙しく、カッシャン、カッシャン右往左往しているのを見ると、「何でこんな日に、わざわざ梅林に行かなアカンのん・・・」といささか、我々のおっちょこちょいぶりが、あほらしくなってきたりもする。
「せやけど、雨にけむる梅林なんていうのも、きっと情緒があるやろねえ・・」とあくまで楽観的にもっていく。

 高速を2時間ほど走って、黒潮(やっぱりちょっと黒みがかって見えると、太平洋の黒潮にこだわってみる)がみえる海沿いの国道にでた。
小さな岬の突端のレストランで、お昼を食べて一服。三方が海に囲まれた雄大なパノラマ。地球が丸いというのが納得できるような、丸みをおびた水平線のライン・・・。
いつの間にか雨も蜘蛛の糸のように細くなって、空も明るくなってきた。波が逆巻く岩の先に「鵜」のような黒い鳥三羽がじっと首をすくめて、岩のように動かない。冷たい風と波飛沫をあびて、うっ寒そう!
てんぷらや鍋焼きうどんを食べて、あったこうなって、満腹になって、冬の海を眺めていた。岩に砕けた波が複雑なもようを描きながらうねうねと引いてはまた、くねくねと岩にすりよるさまを見ていたらいつまでもあきない。吸い込まれて行きそう・・・。

 さあ、梅林はもうすぐだとばかり、駐車場の車に寄ると、雌豹の横腹が痛ましく削られて、ささくれだっている!!(誰かに駐車場で当て逃げされた!!) おっちゃんのくやしがること!  車だけですんだだけでもラッキー、彼女が身代わりになってくれたんやわ、となだめざるをえない・・・。 ミゼラブルな気持ちを引きずって南部にやっとこさ着いた。

 ところが、さあ、この辺りだぞっと見回しても、梅の香りも花の姿もない・・・・。
雨に濡れた梅の木の黒い幹や枝がずらーっと並んでいるだけ。
「れれれれっ?」  ああ、無情! 一輪とて咲いていない。「南部川村梅林本日より開園」って書いてあるのに。
「なんで なんで なんで、どうして どうして どうしてそんなに東京がいいんだろ」 守屋浩が頭の中でぐるぐる歌っている!(古いギャグ)

 長居公園で咲いているから、「南の南部ではもう満開」とはいかないですよねえ!
おっちゃんのおっちょこちょいぶりもあほらしいし、それにのってほいほいついてきた私もおめでたい。
「まっ、ええドライブやったわ」と私はすぐあきらめた。
ところが、おっちゃんはこけてもただでは起きない。
「この辺に(うめ振興館)いうのがあるはずや・・・」
地図を拡げて見る。何が心強いといって、おっちゃんの犬のような方向感の強さには舌を巻く。街であろうが、山であろうが、たいがい、一発、ないしは二発で目的の場所にたどり着く。からきし方向音痴の私は、これだけでもかなりの値打ちを感じる。

 ありました!南部川村の村立産業振興館なのですが、とても斬新なデザインの建物で、内容もとても充実して、おもしろい、梅づくしの館でした。この頃、地方都市の方がお金をかけていいモノを作っているような気がします。地場産業を大切に育てて、地方文化をしっかり持っていることが地方の豊かさに通じるのでしょうかね。
 うめ振興館を見学して、にわか梅博士になって、三階にある「道の駅」で梅干しや梅ドロップ、梅鉢模様のハンカチ買って、梅の枝を四、五本もらって、梅茶を飲ませて貰って ご機嫌で梅の館を出たのだが・・・・・。

 同じ道を帰るのがきらいなおっちゃん、帰りは山のほうから龍神スカイラインを抜けて、高野山にでてそこから橋本に出ようと言う。簡単に言うと、紀伊半島を南から北に向けて縦断する様な行程。
七、八年前、とっぷり日の暮れた龍神スカイラインを通って、物の怪に化かされそうな恐ろしい目に遭っていたので、あまりいい気はしなかったのだけど、今回はまだ日は暮れていないし・・・と甘く考えていたのが悪かった・・・!

 龍神村で温泉にもでも入って、ほっこりしてから帰ろうと思っていたら、道路の表示板に「龍神スカイライン午後5時以降閉鎖」「なぬ?! 今さら南部まで引き返せるか!」
もっと前に表示しろ!」とおっちゃんは怒っている。
1時間近くかけて南部から走ってきたのに今さら戻れない。現在4時30分、龍神村まであと10分。滑り込みで5時までに料金所に到着しなければならない。
龍神温泉の湯煙を横目でにらみながら龍神スカイラインへ突っ走る。

 龍神スカイラインに着く頃にはまたもや、つらい試練が待ちかまえていた。今回は龍の吐く白いガスにたちこめられて、真っ白な世界。標高一〇〇〇メートルを越えた頃から路肩には雪が積もってますます視界はゼロ。1台も車は通らず、私達はひとりぼっち。
生きているのか、死んでいるのか、空なのか道なのか境界線のない幻想的な世界をさまよって、このまま、紀伊山脈の山奥に吸い込まれて朽ち果てるやも・・・。 おっちゃんも口数が少なくなって、必死に龍の吐く白いガスと闘って、ハンドルを右に左に切り返している。
がんばれ、手負いの雌豹! アンタだけが頼りだよ!といってもパンプスを履いて山道走っている感じ・・・。アンタは都会じゃ粋だけどねえ。

 人影もまばらな残雪の高野山も通過して二時間。 やっと人間が動いている和歌山県橋本市の国道に出て、パチンコ屋のぎらぎらしたネオンを見ると、なんといきいきとした、明るく温かい世界だろうと超、感激!

梅仙人さーん、梅の花は見れなかったけど、梅干しはおいしかった!
でも、龍神だけはもう、いやっ!

ガソリン代、高速代、車の修理費を考えると非常に高価な南部の梅干しになってしまった。
 まっいいか。
(2人ともB型)
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1月14日号



「心臓バコバコ」


 今日、私は久しぶりに仕事でノックアウト・パンチを食らって、心臓はバコバコし、頭には血が上ってドックンドックン! 
それでいて降り始めた雨の如く、我が心にも雨が降り、情けなく、しょぼくれている!

 こんなに真正面から否定されたのは、あの時以来・・・。
あの時はまだ駆け出しで、「ダメ出し」されるのも当然と言えば当然だった。

 某在阪局・ラジオ番組の公開録音会場。
朝丸さんが(現在・ざこば師匠)司会をする、月~金までのお笑い番組の生コマーシャル(いまではもう、死語になりつつあるかも知れない!)の原稿を、広告代理店で担当していた。もう26、7年前のことで、「やすし、きよし」コンビが売れ始めていた頃。
お笑い番組なので、コマーシャルも朝丸さんとアナウンサーのお笑いの掛け合いのノリのつもりで書いていたんだけど、ちっともノっていなかったんでしょうね・・・!
番組のプロデューサーのK氏に(現在・吉本上方お笑い博物館館長)、「全然掛け合いになってない! もっと、ポン、ポン、ポンとリズムを持たさなっ!」とズバリ指摘された。
 その方はその時すでにお笑い関係番組の権威という立場におられた方で、私は「はい、わかりました!ありがとうございます・・・」とK氏のアドバイスを有り難く頂戴した。でも側にいた代理店側の営業担当が「コマーシャル内容にケチ付けるのは、越権行為とちがいますか!」と私に同情してか、代理店のメンツか知らないけれど、えらい剣幕だった。こんな時同情されるって、返って恥ずかしいもので、「いえっ、言っていただいた方がありがたいんです、勉強になりました!」 私は本当にそう思って営業担当をなだめるハメになった。そっとして置いてくれる方がありがたかったもんね!

 番組の制作現場には、放送局の制作スタッフと営業担当、広告代理店の制作スタッフと営業担当、そしてスポンサーの広告担当と、いろいろな立場の人が、それぞれの目的や利害を抱えて集まってきている。そんな緊張の中で、かけ出しだからと言って許して貰えるような甘い雰囲気はありません。そんなかけ出しを使った代理店は、スポンサーに対してもメンツが立たないわけです。
その時の、未熟な自分が恥ずかしかった思いは、いまだに心に残っています。

 仕事でのノックアウト・パンチ、2発目は、それから10年以上も経ってからのことです。
子供を3人産んで子育てに忙しいながらも、細々とフリーのコピーライター(主に、広告ビデオのシナリオ)の仕事を続けていました。
京都の花嫁衣装の織元が、新作の打ち掛けのPRビデオを作りたいということで、京都まで打ち合わせに出掛けた時のことです。織元会社の社長は、私を一目見るなり目の前で、「なんや、おばさんやなァ・・・」と、名刺を交換しながら言うのですっ!!!!!
「ナヌッ!」そんな失礼なこと言われたのは、生まれてこの方はじめてだったので、ビキューンと頭に血が上ってたね!
今なら立派に開き直ってやるけれど、まだかろうじて30台だった私は「このまま帰ったろっ!」と咄嗟に思いましたが、私を起用してくれた代理店の人に悪いし、何とか気持ちをごまかして、打ち合わせをしました。「ベテランですから・・・」とかなんとかフォローしてくれるのも少し寂しいもんです・・・・。
社長にしてみれば、花嫁衣装のことを書くのだから結婚適齢期の若い女性ライターが来るとでも思っていたんでしょう。
「おばさんは仕事をしたらあかんのん?」
その時のくやしさ、今思い出して書いていても心臓がバコバコしてくるワ。

 そして、それから又10年余り、本日が第3弾!。
今回は私、反省しています。しっかり反省しました。
シナリオ原稿をホイホイと定番通りに資料片手に文章をまとめただけだったのですから。
でも、ラフの第1稿は定番的だけれども、第3、第4と打ち合わせをつめていって最終的には納得のいくものをと計画していたのです。
スポンサーの方は「こんな通り一辺のもの、個人経営のうちがわざわざ作るメリットはないなあ」とはっきり言われました。
その通りなのです、でもどこまで型破りな個性のあるものをしていいのか、こちらも判断できなかったので、安全圏の無個性なものを出してしまいました。

「そんなこと言うなら、やったろやないの!」
今、興奮してバコバコしているんです。
あさって、成人式の休み明け、現場を見学させてほしいと頼みました。「半日ぐらいで私のことわかってもらわれへんで」とは、おっしゃいましたが、許可がおりました。突撃取材です。

「よおし、やったるからネ!!」
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1月5日号



気分は空き巣症候群


 安室奈美恵ちゃんはレコード大賞で涙ぐみ、紅白歌合戦では、健気に最後のお仕事頑張っていた。 見ているこちらも彼女が力を入れて歌っているとお腹の子にさわりはしないかとハラハラ。 丁度いいところで産休と相成りました。これ以上は彼女の歌を楽しめない気分。
 美川憲一は不死鳥の如く、白鳥の如く宙を舞い、小林幸子は繭から妖しいばかりの蛾?に変態して今年もやっぱりびっくりさせてくれた。 が・・・・、行く年に別れを告げて来る年のお寺の鐘を聞けども、何故かこの新しい年の夜明け、神々しい緊張感もなく、ずるずるべったりで、もひとつシャンとしない。

 京都と東京にいる息子達が揃って帰阪してきたのが30日の夜。
近くのてっちり屋さんで夜7時から家族揃っての忘年会をするからそれまでに帰っておいでと口をすっぱく何度も言っておいたのに、2人が着いたのは8時半。チャーチャン(義母)は孫達が帰って来るというので、2、3日前からウキウキソワソワしていたのに、てっちり屋でまちぼうけを食らって久しぶりのせっかくのふぐを持つ箸も湿りがち。旺盛な食欲の男の子達をまじえて食べると「私まで沢山食べれるワ」と楽しみにしていたのに。キャツらは何をしているんだか・・・・。
予想通り長男が年賀状の版画制作に手間取っていたらしく、(東京の次男も前日から京都に途中下車してつきあっていた)。 私達がほぼ食べ終わった頃にやってきた。
次男とは夏に会ったきりなので、私もソワソワ、ドキドキ、若い恋人を待つような気分。半年会わないと髪型なども変わっていて、帰阪前に提出課題の〆切があって2日ほど徹夜したとかで、なんだかやせて、とがった感じがした。「食べるもの、ちゃんと食べてんの?」といつも心配するけれど、たぶんろくなものを食べていない。コンビニ弁当とか、牛丼とか便利、簡単、安いの3拍子らしい。時には1日1食のこともあるらしく、そばにいたらとても見ちゃあおれない生活ぶりの様だ。
そのくせCDだのMacだのには相当なお金をつぎ込んでいるようで、「高いCD買うぐらいやったら、ちゃんとしたものを食べなあかんわ!」と常々言っているのに、「No Music, No lifeだよ」とか何とかのたまって涼しい顔をしている。
若い者は自分の健康に対して無頓着だ。それが若いってことなのかなあ。

「てっさも久しぶりやろ?」「さっきまでこのふぐ泳いでてんで!」あれこれチャーチャンと私は2人の男の子にうるさくつきまとう。末娘は12月に大学合格が決まり景気よくぐいっとカルピスチューハイを一気に飲んでしまい、気分が悪くなってトイレに走ってこもっている。 楽しみにしていたにぎやかな忘年会もそんな具合でちょっとはぐらかされた。

 いよいよ大晦日だ、おせちも朝から台所に立ちづめで、日頃ろくなものを食べていない息子らにと娘1人で忘れかけていたおふくろさん稼業をフル回転。
年越しそばも日本一色とりどり満載の絶品を作った。さあ、これからゆっくり大晦日の夜、紅白でも見ながらみんなでおこたに入ってみかんを食べよう・・・と思っていたら久しぶりの友達から電話があって息子二人「これから奈良へ行く、多分翌朝始発で帰ってくる」だと。

 アムロちゃんも、ミカワさんも、コバヤシさんもみんなで見てこそおもしろいのに・・・。
18才になったからと娘にもおせち作りを沢山手伝ってもらったので、彼女は疲れておこたでうたた寝、ダンナもトロトロ寝たり、起きたり、Macの前に行ったり来たり。
年末のニュースは「国民の声」だの「フロムファイブ」だのしまらん大晦日の夜・・・。

 朝帰りした息子達昼頃まで寝ていてやっと揃ってお雑煮とおせち。
元旦から雨でやっぱり湿っぽい。初詣も明日に延期。
そして元旦の夜も幼なじみの友達の家へ二人揃って出掛け、また翌朝帰りで昼まで寝ている。結局息子二人は帰阪して寝ているか食べている姿が殆ど。
私があんまりつまんながるので、東京に帰る前日の三日の夜はオセロゲームにつきあってくれたけど・・“負けた!”2連敗。


私って子供達が巣立った空っぽの巣を眺めて落ち込んでいる空き巣症候群にかかっているのかナー。
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