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【8月26日号】【8月16日号】【8月12日号】【8月7日号】

最新版が一番上に来ていますので順番が逆になり、ちょっと読みづらいかもしれませんがご容赦を!
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8月26日


ニューヨークの夏の終わり

 先週の土曜の朝早く車で出発して、トロントに二泊、さらに北に走りヒューロン湖畔、ジョー ジア湾の国立公園にあるキラニーで二泊、今度は東に走りカナダの首都オタワで二泊、そして 昨日の朝10時にオタワを出発、モントリオール経由で高速を乗り継ぎニューヨークに到着した のは夜の8時、今回は全走行距離1800マイル(2900キロ)の旅でした。

 予定ではもう一泊するつもりでいたのに、天気予報によるとカナダの週末は雨、おまけに、愛 車マキシマがごきげんななめで、ちゃんとドアが閉まっているのにもかかわらず半ドアのラン プが点灯し、ときどき防犯用のアラームが勝手に作動しはじめ、駐車していても気になってし かたがないため、一応オタワのニッサンで点検はしてもらったのですが、予定を早めて帰って 来てしまいました。どうも、このあいだぶつけられたときの後遺症のようです。

 トロント、オタワ、モントリオールのような大都市から、私達が住むラーチモントの町に帰っ て来てみるとあまりにも静かで暗く、ほんの一週間留守にした間に、あっというまに夏が終 わってしまったのか、どこからか侘しく秋の虫の声がしてきて、夜などは肌寒いくらいです。
今度の週末のレイバーデーウイークエンドで、アメリカ人は最後のバーベキューやビーチを楽 しみ夏に別れを告げ、そのあと短い秋が過ぎると、また寒くて長い辛い冬がやって来る訳で、 もしかしたら、私達のニューヨークでの夏もこれが最後になるかも(もう、まる三年過ぎたの で、帰国命令がいつ出てもおかしくないのです)と思うと、よけいに虫の声が物悲しく聞こえ てしまいました。


娘のアメリカの学校もやっと9月3日から始まります。
 夏休みが始まったのが6月26日で、なんと二か月以上夏休みがあったのですが、休みの間はサ マーキャンプと呼ばれるサマースクールに9時から4時まで通って、一日二回のプールをはじ め、テニス、サッカー、野球、バスケットボール、アーチェリーなどのスポーツをしたり、カ ウンセラーと呼ばれる大学生のお姉さんとゲームをしたり、お話しをしたり、お友達もたくさ んでき、真っ黒に日焼けして 充実した毎日を過ごしました。
 日本の子ども達のように夏休みは家でゴロゴロ、テレビゲームばっかりやっていて、親はイラ イラ、ということはないので親にとってはとってもありがたいシステムなのですが、このサ マーキャンプ、有料で、価格もピンからキリまでで、一般的に価格と内容は正比例の関係にあ るといわれています。
 期間、アクティビティー、場所、食事、送り迎えなど、無限といえるくらい選択ができて、一 ヵ月で何十万円という高級なものになると、専用の湖があり、温水プール、セイリング、カ ヌー、ウインドサーフィン、カヤック、全天候コートでのテニスの個人レッスン、乗馬、コン ピューター、ライフル、ゴルフ等、大人の私が参加したくなるような豪華な内容です。

 友人は子ども二人を二週間の泊り込みのサマーキャンプに参加させましたが、そのあいだに親 だけで旅行を楽しむという人もけっこういるようです。
もし、来年の夏もニューヨークにいたら、私も娘を泊り込みのサマーキャンプに入れて、仕事 が忙しいダンナを残し、ユーレイルパスでヨーロッパ一人旅をしようとたくらんでいるのです が、「日本食が食べられないから泊り込みのサマーキャンプはぜったいいやだからね。」と和 食党の娘にしっかりクギをさされてしまいました。 

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8月16日


旅にでます

 邦子さんお元気ですか?日本は今、お盆休みなのですよね。
私達も主人がバケーションを取るので、明日から車でカナダに 旅行します。
ご存じのようにニューヨーク州は北部をカナダと接しているので、ここから北に5時間も走れ ばもうカナダとの国境、あの有名なナイアガラの滝も、アメリカ滝はニューヨーク州にあるの です。

 車での旅行が大好きな私達は、じつは今年のお正月にもフロリダのオーランドまで全走行距離 4000キロの旅をしています。片道二日かかりました。
でも、日本と違ってガソリンはすごく安いし(約3〜4分の1)、高速道路が発達しているの に高速料金はほとんどいらないし、すいていて、おまけに宿泊料金もすごく安い(普通のホテ ルでも私達三人で泊まって、100ドル前後。もっと安いところにも泊まります)となると、私 達が車での旅行が好きな理由がよく判ってもらえると思います。 今回はまず、オンタリオ湖畔のトロントに二泊、北上してヒューロン湖畔のアルゴンキン州立 公園で二泊、カナダの首都オタワで一泊、それからは未定、足のむくまま、気のむくまま、五 大湖の東のあたりを放浪してきます。

 ロンドン、パリ旅行記まだ終わってないのに、また新しい旅に出てすみません。
今回の旅もいつか書く時のために、しっかりメモはしてきます。
では、23日頃には帰ってくるつもりです。それまでお元気で。   景子
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8月12日


『バイリンガルへの道のり』

 娘は日本で幼稚園の年中から入園して、一学期間だけ終えて夏休みの終わりにこちらに 来ました。
秋から新学期が始まるアメリカでは、ちょうど娘の年だとエレメンタリースクールの一 年生の一つ下のキンダーという学年に該当したので、小学校に入学しました。
まだ、アメリカに来て一週間しかたってないのに、いきなり学校に行かせるなんて、今 から思えば無謀だったような気もしますが、初めて教室に入った時の親の緊張感以上に 娘はカルチャーショックが大きかったらしく、帰ろうとする私にしがみついて離れよう としませんでした。
ABCも判らないのに、まわりはみんな外人で英語しか話さない。日本人は一人もいない 。 いろんな色の髪や肌や目をした人達を身近で見たこともなかっただろうに。内気でひと みしりの激しい子なのに。
無理やりに娘を引き離して先生に預け、この世の終わりのようにママーと泣き叫んでい る娘の声をふりきって、とぼとぼとグラウンドを歩いて家に帰って来たあの日のこと は、娘も私も一生忘れることができないでしょう。

 娘は、英語がわかるようになってからも、一言もクラスで英語を話さず、聞かれたこと に関して、首を縦に振るか横に振るかだけで意思表示をして、キンダーの一年間を過ご しました。
心配する私に、担任の先生は、絶対だいじょうぶ、今は英語をいっぱいためているの。 いつかはきっとしゃべれるようになるから。となぐさめてくれました。 そして、もうすぐアメリカに来てまる三年になろうとしている今、娘の英語はいつのま にか私のレベルをはるかに超えています。

 このあいだ読売新聞に、幼児期に外国語を習得した場合、言葉を使う時に活動する脳の 部分が思春期以降のそれと違っていて、母国語と外国語を脳内領域の同一部分で処理し ているが、大人になってからだと言語習得のために新たな部位を開かざるを得なくなる という記事が出ていましたが、まさにそれで、娘の頭の中には英語と日本語の切り替え スイッチのようなものがあって、話す相手によって自然に切り替わるようになっている らしいのです。
ときどき、英語を長く使ったあとなどは完璧に日本語モードに切り替わってなくて、す こしおかしい場合もありますが、いちいち頭の中で英作文してからしゃべらなけらばい けない私にとってはとてもうらやましいことです。
言葉だけでなく、性格もずいぶん明るく積極的になったようです。お行儀が余りよくな いところがアメリカ人に似たのならちょっと困りますが、どんどん成長してたくましく なっていく娘に、たいへんだったけど、貴重な経験をさせておいて良かったと最近思っ ています。そして、あとそれほど長くないだろうアメリカでの生活を充分楽しんでほし いと思っているこの頃なのです。
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8月7日


返品天国U.S.A.

邦子さんお元気ですか
 HONG KONG BOY ZENくんのお話たいへん興味深いものがありました。
娘も、いずれは日本に帰らなくてはいけないのだけれど、こちらの教育を受けているため、日 本に帰ったときにうまく適応できるのかといった不安と、日本での管理教育では、いい意味で の彼女の個性をうまくのばしてやれないのではないかという不安は、私だけでなく、海外駐在 している親に共通のものなのです。

 さて、昨日ひさしぶりにあったお友達が素敵なペンダントをしていました。
「高そうネ」と聞くと「うん、すごく高かったから、前に買ったちがうペンダントを返品し て、これを買ったの」と言います。詳しく聞くと、三年まえに買ったペンダントのレシートを 保管してあったから、それを返品して、新しいのを買ったそうなのです。
そんなこと日本ではできっこないのですが、こちらでは、返品はあたりまえの事なのです。 友達は、あんまり使ってなかったし気に入らなかったからという理由で返したそうですが、理 由なんかあまり聞かれません。何回か着たり履いたりしたものも、OKなようで、ときどき、ヒ ザが出て、あきらかに返品とわかるパンツや、かなり履いたとわかるくらいかかとがへった 靴、ファンデーションや口紅がついたセーターなどが売り場に出ていることもあります。
あるとき、私がデパートのレジに並んでいたら、支払を済ませて帰ったお客さんのことを、 「彼女、いつも次の週になったら買った洋服返品しにくるんだから。週末用の洋服が欲しかっ たのよ」とレジの係のお姉さんがぼやいているのが聞こえてしまいました。
レシートさえあれば、値札なんかはずしてあってもぜんぜんOKなので、パーティー用などに 買った洋服を一度着てから返品するなどということはウソのようなホントの話なのです。 洋服に限らず、電化製品なども返品できるそうで、バーゲンで199ドルで買ったけど使わない し、レシートもなくしたフードプロセッサーを、だめもとで返しにいったら、「ノープロブレ ム」と239ドルで返品してくれて、40ドル儲かったという話もありました。
電化製品が壊れたら、一応買った店に持っていって、文句を言ってみるべし。そのためには、 レシートと箱は取って置くこと。というのは前任者からの申し送りでした。

 私も、一度着たベストの腕まわりが少し小さいので、大きいサイズに替えてもらおうと、買っ たデパートでさがしたけど、みつからなくて困っていると、店員さんが、「じゃあ、お金返す わ」と言って返金してくれたことがありました。
買った品物が何日かしてバーゲンされてたら、差額を払い戻してくれることもあるそうです。 それに、洋服はブラウスでもTシャツでもセーターでも、どんなものでも必ず試着できます。 クリスマスの次の日などは、もらったプレゼントを返品するためのカウンターが長蛇の列だ し、プレゼント用に金額がはいってないレシートを発行してくれるお店もあります。

 スーパーのレジなどはいつもすごく混んでいて、サービスも日本ほどではないけれど、返品に 関してはアメリカではいつもお客様が神様、まさに、『返品天国』なのです。
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